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東京、5月に開催する怖い展覧会3選

怪文書、伊藤潤二作品、猛毒、恐怖の奥に隠されたものとは

テキスト:
Masataka Ito
Writer
怪文書展『その怪文書を読みましたか』
画像提供:怪文書展『その怪文書を読みましたか』
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「覗いてはいけない」と言われると、余計に覗きたくなるのが、人のさがだ。2024年5月は東京近郊で、怖いもの見たさな気持ちがくすぐられる3つの展示が開催されている。

何が書かれているのか、見ずにはいられない怪文書、続きを読まずにはいられないホラー漫画、そして生物が秘めた猛毒の世界。おそろしいものの奥に何が隠されているのか。好奇心のおもむくままに出かけてみては。

怪文書展「その怪文書を読みましたか」
画像提供:横浜ケーブルビジョン株式会社

怪文書展「その怪文書を読みましたか」

最初に紹介するのは、怪文書展だ。2023年3月に渋谷で開催され、入場まで最大6時間待ちと人気を呼んだ「その怪文書を読みましたか」が、横浜駅直通のエンタメ複合施設「アソビル」で5月18日(土)から開催される。

会場には100枚を超える怪文書が所狭しと張り出され、主要なものには、同展の企画制作者の一人で人気ホラー作家の梨の解説文が添えられている。観客は怪文書の数々を目にし、「誰が、どこで、なぜ、この怪文書を書いたのか」を読み解いていく。より積極的な参加が求められる考察型展覧会だ。

怪文書の言葉を精査し、つなぎ合わせて真意を浮かび上がらせていく行為は、フェイクニュースが紛れ込んだSNSのコンテンツを嗅ぎ分けるのにも通じる。来場者は楽しみながら、情報社会を生き抜く洞察力を持っているのか、試されることになるだろう。

※5月18日(土)から6月2日(日)まで開催

伊藤潤二展 誘惑
Photo: Kisa Toyoshima

伊藤潤二展 誘惑

日本ホラー漫画界をけん引する一人、伊藤潤二による初の大規模原画展が、「世田谷文学館」で開催中だ。

展示は序章から4章まで区分けして構成されており、国内外で人気の伊藤作品の数々をはじめ、奇妙だがリアルな世界観を醸し出す原画や、歯科技工士から漫画家に転身した彼の生活にフォーカスした作品など、ボリューミーかつストーリー性のある内容になっている。

デビュー作であり海外でも有名な「富江」はもちろん、シリーズ漫画の「うずまき」や「死びとの恋わずらい」「首吊り気球」「伊藤潤二の猫日記 よん&むー」などの自筆原画のほか、本展描き下ろしの新作も公開。フィギュア原型師の藤本圭紀による「富江」の新作フィギュアにも注目だ。

同展を記念して、漫画の名場面や人気キャラクターをプリントしたハンカチ4種も展開。ミュージアムショップで購入できる。

伊藤が描く独特のホラーの世界にどっぷりと浸ってみては。

※4月27日(土)から9月1日(日)まで開催

毒毒毒毒毒毒毒毒毒展 極
画像提供:株式会社サンシャインシティ

毒毒毒毒毒毒毒毒毒展 極(もうどく展 きわみ)

サンシャイン水族館」特別展会場で、「もうどく展」の最終章となる「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展 極(もうどく展 きわみ)」が開催中だ。

海洋生物の中で最強の毒素を持つ「サザナミハギ」、食中毒による死者も出ている「アオブダイ」といった魚類だけでなく、成人10人分の致死量に相当するカエル界最強クラスの毒をしのばせたモウドクフキヤガエルなど、両生類や昆虫、植物を含む約30種類の毒生物を展示。それぞれに同水族館オリジナルの毒レベルを表示し、毒の種類・成分や特徴、毒を持つ部位などをパネル解説する。

新たな試みとして「自らが出す毒でダメージを受けてしまう切ない生き物」などの毒エピソードや、飼育スタッフの毒体験談も。また、調香師が再現した世界三大寄虫・サソリモドキが発する毒液の刺激臭を嗅ぐ、毒見ならぬ「毒感体験」も見逃せない。

毒は薬にもなる。小さな体に秘められた、奥深い毒の不思議を学べるだろう。

※3月15日(金)から11月24日(日)まで開催

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