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「ゼロウェイスト」という、ゴミや無駄をゼロにすることをコンセプトに掲げたカフェバー「アッシュ ゼロ ウェイスト カフェ アンド バー (æ zero-waste cafe & bar)」では、2023年2月から「カフェインフリー」「シュガーフリー」「アルコールフリー」をテーマにした多数の新メニューを展開している。
バリスタチャンピオンの⽯⾕貴之が監修したオリジナルブレンドやコーヒーカクテルで、2022年5月のオープン当初から話題を集めた同店。アッシュを運営するSG Groupのファウンダーで、数々の受賞歴を持ち世界からも注目されるバーテンダー・後閑信吾は以下のようにコメントを寄せた。新たなメニューに込められたのは、より幅広い人にアッシュでの時間を楽しんでもらいたいという思いだ。
「アッシュはカフェバーとして営業していますが、現状はカフェとして利用してくれる人が多いんです。もちろんうれしいのですが、バーはまだ日常の一部になっていないのだなと感じました。バーという場所をもっと多くの方に楽しんでほしいので、アッシュはバーの裾野を広げるような店になるべく、今回の新メニューを開発しました」
ここでは、そんな後閑の思いも込められた「カフェインフリー」「シュガーフリー」「アルコールフリー」の新メニューからいちおしのドリンクをいくつか紹介する。
【カフェインフリーカクテル】ストロベリー æ ダイキリ
「ダイキリ」と聞くと、砂糖やジュースを使った甘いカクテルをイメージする人も多いかもしれない。しかし「ストロベリー æ ダイキリ」は一般的なダイキリとは一味違ったヘルシーな一杯だ。
カクテルの構成はラム、イチゴ、ココナッツ、ベルガモットで、口に入れた瞬間にふわっと広がるイチゴの香りが印象的。カクテルの愛らしいピンク色はイチゴ本来の色から出しているそうで、果肉自体は入っていないものの、イチゴのつぶつぶ感さえも感じられるジューシーさにきっと驚くだろう。
控えめな甘さではあるものの「アルコール感が強くて飲みにくい」ということは決してない。さっぱりしたい時にもうってつけだ。
【シュガーフリーカクテル】ロー ABV マティーニ
シュガーフリーのカクテルとして紹介するのは「ロー ABV マティーニ」。ABVはアルコール度数を示す言葉で、つまりアルコール度数の低いマティーニということになる。
通常のマティーニは30度くらいのアルコール度数があるが、このカクテルは20度ほど。砂糖を使っていないというのもポイントだが、憧れのカクテル・マティーニを一度味わってみたかったという人にもおすすめしたい。
もう一つ、このカクテルでは「キューブ型のオリーブ」にも注目。実はこのオリーブ、自家製のジンを作る際にアルコールに漬け込んでいたもので、通常は捨てられてしまう実をペースト状にし、新しいオリーブへと生まれ変わらせたものなのだ。口にした後にどうしようかと迷ってしまう、あの種がないというのもうれしい。
ちなみに、背の低いマティーニグラスは同店のオリジナルで、マティーニが一番かっこよく飲めるように設計されているそう。ぜひ、ジェームズ・ポンドのように渋くマティーニをたしなんでみてほしい。
【アルコールフリーカクテル】トロピカルフルーツ
同店では、ノンアルコールで作られたカクテル「モクテル」においても面白いものが多数ある。真っ青な見た目の「トロピカルフルーツ」は、一見ケミカルな印象を持つかもしれないが、色も甘さもナチュラルなモクテルである。
マンゴー、パッションフルーツ、グァバ、アールグレイで構成されているというと信じ難いかもしれないが、牛乳とレモン汁を組み合わせて乳脂肪分を分離させるような要領で各素材の透明な部分だけを抽出し、そこにスピルリナという海藻で色を付けることで、このきれいなブルーが出来上がるのだそうだ。
紅茶にフルーツの酸味が加わった「トロピカルフルーツ」はごくごく飲める一杯。要望があればアルコールを足してもらうこともできる。
カフェインフリー、シュガーフリー、アルコールフリーともに各5つのカクテルを用意しているが、全てに共通するのは、最終的にゴミとなってしまう飾りがないということ。世界のトレンドも読みながら、時代のニーズに合わせて、多様な人々が楽しめるメニューを展開し続けるというのもまさに同店らしい。
そのほか、スイーツでは「æ ティラミス」も2月から新登場。白砂糖と小麦粉を使用していないグルテンフリースイーツで、とろとろ食感がクセになる一品だ。マスカルポーネとホワイトチョコでスポンジを挟んでいるので、ぐさっとスプーンを刺してこの3層を一緒に味わってみてほしい。
来店客に楽しんでほしいという真摯(しんし)な思いとユーモアあるアイデアが詰まったメニューはもちろんのこと、接客も程よい距離感で、初めて訪れても居心地のいい同店。新しいドリンクも増えた今、バーという場所にハードルの高さを感じていた人こそ、ぜひ足を運んでみてほしい。
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