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ここでは、絵画・インスタレーション・写真と、今週末に行きたいアート展をジャンル別にピックアップ。マネ、セザンヌ、ルノワールらによる人物画から、須藤絢乃のセルフポートレート、川俣正の2024年のアーカイブと、年末年始前に駆け込みたいアート展を厳選して3つ紹介したい。
ひとを描く
「アーティゾン美術館」で、「ひとを描く」展を開催。ヨーロッパの美術史において作品制作の重要な要素の一つであった自画像や人物画85点を通して、人物表現の豊かさを紹介する。
画家にとって、自画像は自らの技量を示すことのできる題材であると同時に、新しい表現の実験の場でもあった。また、肖像画は重要な生活の糧となっていた。
会場では、エドゥアール・マネ、ポール・セザンヌ、ピエール=オーギュスト・ルノワールら、近代ヨーロッパの画家たちによる人物画を一望する。モデルになったのは誰か、どのような物語を描いているのかなど、制作背景から人物画の名作を新しい視点で楽しめる。
また、『ヘラクレスとケルベロス図』『男女図』『婦人図』など、古代ギリシャ陶器30点を一堂に展示。さらに、近代日本人画家の藤島武二と長谷川路可による古代ローマの模写作品を初公開する。
作品に描かれたさまざまな表現を見比べ、鑑賞を楽しんでほしい。
※11月2日〜2025年2月9日/10〜18時(金曜は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は窓口販売1,500円、ウェブ1,200円、学生無料(要ウェブ予約)、中学生以下無料(予約不要)
Kawamata Archive
代官山の「アートフロントギャラリー」で、川俣正の個展が開催。フランスを拠点に活動する川俣の、2024年の活動を一挙に紹介する。
今回、「代官山ヒルサイドテラス」に、近年世界各地で高い評価を得ているプロジェクトシリーズを展開した。ギャラリー前の樹木には最新作の『Tree Hut』を、建物のベランダには鳥の巣をイメージした『Nest』を設置している。
また、写真などによるプロジェクト記録展示に加え、「大地の芸術祭」の『snow fence』、「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」の『六甲の浮き橋とテラス』、京都での『夢浮橋ワーク・イン・プログレス2024』など、2024年の各プロジェクトの模型やマケットも展示・販売する。
世界を舞台に活躍する川俣の今年の活動を見尽くしてほしい。
※11月8日〜2025年1月19日/12〜19時(土・日曜は11〜17時)/休館日は月・火曜/入場は無料
MISSING
恵比寿「MEM」で、須藤絢乃の新作個展が開催。さまざまな時代で強烈な印象を残した女性たちに須藤がふんするセルフポートレート作品『⻤が栖むか蛇が栖むか』を発表する。
須藤は20代半ばに大病を患う。そのことがきっかけで、「尋ね人」の貼り紙に写される行方不明の少女たちに自らが扮装したシリーズ『幻影 Gespenster』を制作する。自身もいつか人知れず消えてしまうのかもしれないという不安や恐怖を抱える中、彼女たちが生きていた時の輝きを作品に残そうとした。
今回、須藤は社会やメディアで取り上げられ話題となった後、現在の消息が不明の女性たちに姿を変えた。失踪した少女たちも時代のアイコニックな女性たちも、他者のままではなく自分ごととして捉えるために、須藤はセルフポートレートという手法を選んでいる。
2024年12月20日(金)には、美術評論家の椹木野衣と須藤のトークイベント(20人限定・要予約、税込み1,200円)も開催予定だ。見逃さないでほしい。
※11月30日〜12月22日/13〜19時(12月20日は17時30分まで)/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/入場は無料
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