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東京、12月14・15日に行きたいアート展3選

マティスや草間彌生の色の秘密、衣服に広がる動物の模様、実験的なグラフィックデザイン

テキスト:
Chikaru Yoshioka
カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ
草間彌生《無限の鏡の間 ―求道の輝く宇宙の永遠の無限の光》 2020年 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA Courtesy of Ota Fine Arts
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心に響くアート作品と出合える喜びや感動は、冬の寒さをも吹き飛ばす。そんな時間を過ごしてほしく、今週末に行きたいアート展を集めた。「ポーラ美術館」での印象派から現代美術までの色の秘密に迫る展示、「ギンザ グラフィック ギャラリー」の菊地敦己の個展「文化学園服飾博物館」での衣服に広がる動物の模様と、厳選して紹介したい。

カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ

カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ
ゲルハルト・リヒター《ストリップ(926-3)》2012年 ポーラ美術館 © Gerhard Richter 2024 (18062024)

ポーラ美術館」で、「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」が開催。ウジェーヌ・ドラクロワ(Eugène Delacroix) 、クロード・モネ(Claude Monet)、アンリ・マティス(Henri Matisse)、ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)、草間彌生、杉本博司、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)など、印象派から現代美術まで、近現代美術における「色彩」の変遷をダイナミックに紹介する。

自然や都市、美術館などで目にする現実の色より、画面を通して経験する「仮想の色」に慣れつつある現代社会。しかし、時代を表してきた美術家たちは、日々研究を重ね、独自の表現方法を創り、人生をかけて色彩を生み出してきた。

チューブに入った油絵の具を巧みに扱い、さまざまな色彩によって視覚世界を再構築した19世紀の印象派や新印象派、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画。そして、色彩の影響力によって観る者の身体感覚を揺さぶる現代アート。日々の暮らしに彩りをもたらし、物質と精神をともに豊かにしてきた「本当の色」を身近に感じてほしい。

※12月14日〜2025年5月18日9~17時(入館は閉館の30分前まで)/料金は2,200円、学生1,700円、中学生以下無料

菊地敦己 グラフィックデザインのある空間

菊地敦己 グラフィックデザインのある空間
Wasting Time, 2013

ギンザ グラフィック ギャラリー」で、アートディレクターであり、グラフィックデザイナーの菊地敦己の展示が開催。空間の中のグラフィックをテーマに、「平面上の空間」と「空間上の平面」との関係性を探る3つのインスタレーションを展開する。

菊地は、武蔵野美術大学彫刻学科在籍中にデザインの仕事を開始して以来、独自の方法論を築きながら30年にわたって精力的に活動を続けている。美術館のビジュアル・アイデンティティーやサイン計画、ファッションブランドのためのアートディレクションをはじめ、エディトリアルブックデザインの分野でも秀逸な仕事を数多く残す。

それと並行し、批評性をもった実験的な作品を発表する展覧会を頻繁に開催し、多面的な表現活動を行っている。見るという感覚を揺さぶる、菊地のグラフィックデザインを体感してほしい。

※12月10日〜2025年2月1日11〜19時/休館日は日曜・祝日/入場は無料

あつまれ! どうぶつの模様

あつまれ! どうぶつの模様
裂:ミイラ覆い布(部分)[アヌビス神] エジプト 前305-前30年 (12月5日-1月23日)

文化学園服飾博物館」で、「あつまれ! どうぶつの模様」展が開催。世界各地の衣服に表される動物の模様を集めてそれらの持つ意味を探り、人間と動物の本来あるべき関係を改めて問う。

鳥や獣などの動物をモチーフとした模様を衣服に取り入れることは、さまざまな地域で見られる。模様からは、それぞれの民族がどのような動物を目にし、どのように暮らしを営んでいるのかが垣間見えるだろう。

また、空を飛ぶ鳥や牙を持つ勇猛な獣など、人にはない優れた能力が備わる動物に畏敬の念や神秘性を感じ、願いを託して模様に盛り込むこともある。さらに、人間の願望や創造力が現実を超越した空想の動物を作り出し、縁起の良い存在として衣服に表すこともある。

本展を通して、衣服に広がる動物の世界をのぞき込んでほしい。

※12月5日〜2025年3月5日10時~16時30分(12月20日、2月14日は19時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は日曜・祝日/料金は500円、学生300円、小・中学生200円

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