ニュース

東京、11月30日・12月1日に開催されるアート展4選

アートブック、ゴジラ、鉄とガラス、彫刻

テキスト:
Chikaru Yoshioka
TOKYO ART BOOK FAIR 2024
Illustration: Yoko Nakayama
広告

今週末に行くべき注目のアート展を紹介したい。東京都現代美術館」での年に一度のアートブックの祭典や、「東京都庭園美術館」での青木野枝と三嶋りつ惠による新作インスタレーション、「パルコミュージアムトーキョー」のゴジラ生誕70周年を記念したアート展など、個性あふれるイベントをセレクトした。アートを通して新しい世界に出合ってほしい。

TOKYO ART BOOK FAIR

TOKYO ART BOOK FAIR 2024
Verlag der Buchhandlung Walther und Franz König Archive

東京都現代美術館」で、「TOKYO ART BOOK FAIR 2024」が2024年開催。国内外から約300組の出版社、ギャラリー、アーティストが一堂に集まり、アートブックやZINEの魅力を直接伝える。

一つの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する企画「ゲストカントリー」の第8弾では、ドイツをフィーチャー。日本でも高い人気を博すアーティストのステファン・マルクス(Stefan Marx)やベルリンのアートブックフェア「MISS READ」、老舗出版社「Verlag der Buchhandlung Walther und Franz König」、世界一美しい本を作ると評される「シュタイデル(Steidl)」など、ドイツのアート出版をけん引する多様なブックメイカーたちをひもとく。

また、前述のマルクスのほか、MISS READを主宰するミハリス・ピヒラー(Michalis Pichler)、キュレーターの中島点子、ベルリンの書店「do you read me?!」、クリエーティブエージェンシーの「Studio Yukiko」がキュレーターとなった選書コーナーも登場。現代ドイツのインディペンデント出版シーンを垣間見ることができる。

年に一度のアートブックの祭典を見逃さないように。当日券は若干数の発券予定なので、注意してほしい。

※11月28日 12〜19時、11月29日~12月1日 11〜18時/入館は閉館の30分前まで/料金はオンライン事前予約制1,000円(別途発行手数料165円)、当日1,200円、小学生以下無料

GODZILLA THE ART by PARCO

GODZILLA THE ART by PARCO
キービジュアル

パルコミュージアムトーキョー」で、ゴジラ生誕70周年を記念したアートプロジェクト「GODZILLA THE ART」の第4弾「GODZILLA THE ART by PARCO」が2024年開催。現代アートギャラリー「ナンヅカ(NANZUKA)」所属の中村哲也や大平龍一をはじめ、浅野忠信などの世界各国15人のアーティストたちが参加する。

1954年に第1作目となる『ゴジラ』の公開以降、国内30作品、アニメーション3作品、ハリウッド版5作品を含めた、計38作品のシリーズを制作してきたゴジラ。本展では、それぞれのアーティストがゴジラへの思いと独自の視点を反映させ、ゴジラをモチーフにさまざまな手法、メディア、スケールでアート作品を生み出した。

また、映画で使用されたゴジラスーツの立像やジオラマも特別公開するほか、特別なゴジラフィギュア、展覧会オリジナルグッズも販売予定。入場予約チケットは2024年11月29日(金)〜12月1日(日)のみ事前予約制で、11月22日(金)10時から販売開始だ。

※11〜21時(12月16日は18時まで)/入館は閉館の30分前まで/料金は1,000円、未就学児無料

そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠

そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠
そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠

東京都庭園美術館」で、鉄の造形で知られる青木野枝と、ガラスを用いる三嶋りつ惠が新作インスタレーションを発表する「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」展が開催。現代美術の第一線で活躍を続ける2人の作家が、同館の各所に作品を配置し、新たな視点でアールデコの装飾空間を照らし出す。

1980年代の活動当初から、鉄という素材を用いる青木。工業用の鉄板を直線や円形などのパーツに溶断、溶接し組み上げるというシンプルな作業から、空間ごと見るものを圧倒するような作品を制作している。

三嶋は1989年にイタリア・ベネチアへ移住し、ムラーノ島のガラス工房で小さな器から大きく抽象的なオブジェまで幅広いガラスの立体作品を手がける。

アールデコの館を舞台に、鉄とガラスによる作品が時を超えて響き合う本展。自然光が差し込み、時間ごとに異なる表情を見せる館内で、刻々と変化する展示風景を堪能してほしい。

なお、2025年1月22日(水)・29日(水)は、割引対象者以外は無料だが、事前予約が必要だ。

※10〜18時(11月30日、12月6・7日は20時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)/料金は1,400円、学生1,120円、65歳以上・高校生・中学生700円(第3水曜は65歳以上無料)、小学生以下および都内在住在学の中学生無料

須田悦弘展

須田悦弘展
須田悦弘《雑草》1998年 木に彩色 練馬区立美術館蔵 賛美小舎 上田國昭氏・上田克子氏寄贈 ©Suda Yoshihiro / Courtesy of Gallery Koyanagi

渋谷区立松濤美術館」で、須田悦弘の個展が開催。初期作品やドローイングをはじめ、新作も公開する。

須田は独学で木彫の技術を磨き、ホオ(朴)の木でさまざまな植物の彫刻を制作してきた。今回、「哲学の建築家」とも評される白井晟一(1905〜1983年)による同館の建物に、須田が植物を配する。曲線を多用したユニークな空間にひっそりと置かれた作品を発見した時には、周りの景色が違って感じられるだろう。

また、近年取り組んでいる、古美術品の欠損部分を木彫で補う「補作」作品4点も紹介。須田の最初の補作作品は、現代美術作家・杉本博司に依頼されて補った鎌倉時代の神鹿像であった。研究を重ねた上で補われた作品は、一見、どこを補作したのか分からないものもあり、須田の驚異的な観察力と技を堪能できる。

なお、2024年12月15日(日)には、須田による公開制作も予定している。ぜひ、足を運んでほしい。

10~18時(金曜は20時まで)入館は閉館の30分前まで/休館日は月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始/料金は1,000円、大学生800円、60歳以上・高校生500円、小・中学生100円(土・日曜・祝日は無料) 、毎週金曜は渋谷区民無料、障害者と付添1人無料

関連記事

1年半の「不在」を展示テーマに、三菱一号館美術館がリニューアルオープン

東京、11月23日から始まる注目のアート展3選

東京、12月に開催されるシネマフェスティバル4選

2025年3月アジア初上陸、「タイムアウトマーケット大阪」が創造する都市体験を知るイベントが開催

神楽坂の古い街並みに新スペースPAAMAが誕生、内装は関祐介が担当

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら

最新ニュース

    広告