[title]
職場の解雇やいじめなどLGBTQに対する不当な差別をなくし、「LGBT平等法」の制定を求める国際署名キャンペーン『EqualityActJapan』が、2020年10月から始まった。
『EqualityActJapan』は、全国で100を超えるLGBT関連団体が集まったLGBT法連合会、国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ、スポーツとLGBTに関する活動を行うアスリート・アライの三団体が協働団体で始めたキャンペーン。集められた署名は法制定の後押しをするため、2021年3月開催の国会へ届けられる。公式ウェブサイト内のQ&Aには、寄せられたさまざまな質問への返答が載っている。
LGBTQを守る法律、なぜ日本にはない?
令和2年が終わろうとしている現在、日本にはなぜいまだにLGBTQの権利を守る法律がないのか少し考えてみたい。例えば、OECD(経済協力開発機構)加盟国のLGBTQに関する法整備の順位で、日本は35カ国中34位(*1)だ。
またG7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ)においては、日本以外の全ての国に「LGBTQに関する差別を禁止する法律」が整備されている。性的指向による雇用差別禁止の国の数は、EU加盟国の全てや、カナダ、アメリカ(一部の州)をはじめ、2019年時点で80カ国以上(*2)にのぼる。
なぜこのような事態が起きているのか。一つは、全ての人の人権を守るために国際連合総会が定めた「国内人権機関」と「個人通報制度」の導入を日本政府が渋っていることにも要因がある。日本では、LGBTQに対する受容度も36カ国中25位と低く(*3)、「トランスジェンダーと告げたことで雇用面接を落とされる(*4)」など、当事者を守るための法律がなく、差別や偏見が放置されている状況と言える。
想像力を持って、グローバルスタンダードへ
これは、LGBTQの当事者だけに関わる問題ではない。当事者だけではなく、アライ(ally=「仲間」や「同盟」を語源とし、セクシュアル・マイノリティ当事者を支援する人々を指す)の立場からも、関心を持ち、学び、行動(アクション)を起こすことが重要だ。
「LGBT平等法」の実現に向けた署名は公式ウェブサイトから、名前と国籍、メールアドレスの入力のみで簡単に行える。署名締め切りは2021年2月21日(日)まで。
(*3) Over the Rainbow? The Road to LGBTI Inclusion『How does Japan compare?』
(*4) 『トランスジェンダーだと告げると10社連続で落とされた」日本に根強く残る雇用差別』
関連記事
『結婚の自由を全ての人に、同性婚の法制化に向けた「マリフォー国会」配信』
『LGBTQに開かれた情報を発信、プライドハウス東京レガシーの試み』