[title]
ロンドン自然史博物館からV&A、ミュージアム・オブ・ザ・ホームからホーニマン博物館まで有するロンドンは、博物館が充実していることで世界的に有名だ。新自由主義からヴァギナまで、あらゆるジャンルの博物館を開設してきたこの都市だが、これまでLGBTQ+の歴史に焦点を当てたものはなかった。
それどころか、イギリスにも一つもないのである。この国のクィア史がいかに豊かで多様、そして限りなく魅力的であるかを考えると、これはかなり大きな欠陥のように思われた。
だからこそ2018年、イギリス初のLGBTQ+歴史博物館の開設を目指した、Queer Britainという新しいチャリティー団体が設立された時、我々は感激した。同団体は、4年間にわたる候補地探しを経て2022年初め、キングス・クロスに博物館の場所を確保したことを発表。その後、開館に関する詳細も聞こえて始めていて、感動はさらに増している。
そして、その名も「Queer Britain」というLGBTQ+歴史博物館が、2022年5月5日(木)にオープンすることが決定した。博物館が入るのは、アートチャリティー団体であるArt FundがQueer Britainに貸与している建物の1階(番地は、2 Granary Square)。
セクシュアリティーや性自認に関係なく全ての人を歓迎し、「英国やその他の地域のクィアコミュニティに内在する物語、人々、場所」をたたえる施設となることが目指されていて、入場は無料。バリアフリー対応もされている。
オープニングを飾る展覧会は、Historic Royal Palacesのキュレーターであり、クィア史の専門家であるマシュー・ストレイがキュレーションする『Welcome to Queer Britain』。拡大する同博物館の収蔵品から写真や品物を集めた、比較的でコンパクトな「コレクション展」となる。
またワインブランド、Madame Fがスポンサードするクィアクリエーティビティーをテーマとしたアートアワード『Madame Prize』の第1回応募作品の上位2人、セディ・リーとポール・ハーフリートによる作品も展示されるという。
『Welcome to Queer Britain』は、 Queer Britainとそのミッションを紹介するために8週間開催。夏には、本格的な展覧会がスタートする予定だ。
関連記事
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら