―ピーターさんはFRUEのことを知っていましたか?
ピーター・バラカン(以下 B):はい。番組のリスナーから教えてもらったのがきっかけでした。(出演者は)知らないアーティストばかりだったけど、興味をそそられるものがありましたね。まず、ウェブサイトのデザインが格好よかった。「趣味がいいな」と思えるデザインって、すごく重要なことだと思うんですよ。
『LIVE MAGIC!』の出演者のなかには日本では知られていないアーティストも多いので、興味を持ってもらうためにどうしたらいいか毎回頭を悩ませています。そこはFRUEも一緒ですよね。
山口彰悟(以下:山):僕は主にTwitterで各アーティストの音源を紹介しています。それなりに効果はあると思ってつぶやいています。
B:Twitterの投稿は山口さん自身がやっているんですか?
山:そうですね。2012年にFRUEを始める前からブログで自分の好きな音楽を紹介していたので、その流れで今も自分で投稿してます。
―FRUEはネットでの発信がうまいですよね。出演者の発表前からSNS上で少しずつネタをバラしていったり、すごく戦略的に使っている印象があります。
山:おしゃべりで噂話が好きな人が多いですからね(笑)。「このバンドを見たいなぁ」とつぶやいて反応を見たり、クラブなどの現場で「実は今度このバンドを呼ぶんだけど」と話してみたりして、色々なところに種をまいています。すると、気がついたら口コミで広がっていたりします。
―ピーターさんはプロモーションについてはどう考えますか。
B:僕はネットの使い方に長けている人間ではないので、やはりラジオが一番の場所になってますね。番組では、売れるもの・売れないものはまったく意識しないで音楽を紹介しているわけですが、自分がキュレーションするフェスとなると、やっぱりチケットが売れないと困る(笑)。その点では普段僕がやっていることとは別のプロモーションのノウハウが必要になってくるんですよね。
今年から『LIVE MAGIC!』のInstagramを始めたんですよ。あと、Spotifyで出演アーティストのプレイリストも作りましたし、Youtubeで「LIVE MAGIC!TV」というチャンネルもやってます。
―そのなかで一番反響があるのはラジオですか?
B:そうですね。ただ、集客のことは当日ふたを開けてみるまで本当に分からない。毎回不安なんですよ。
山:そこはFRUEもまったく一緒です。SNSの反響が必ずしもチケットの売り上げに直結するわけでもないですし。いつも震えています。
―今年の『FESTIVAL de FRUE』はクラウドファンディングで資金を集めていましたよね。目標額を大幅に上回っていて、お客さんからの期待と注目度の高さを実感しました。
山:ありがたいですよね。2回やって1,300万円くらい集まりました。
B:それは凄いですね。うちも過去にクラウドファウンディングの話は何度か出たんですけど、いろいろあってまだ動けていなくて。