いくらかの正常さを得るのすら困難な時期だね
ー現在の体調はいかがでしょうか?
うーん、そうだな、あまり好調とは言えない。
ーそうですか……。それは残念です。
はっはっはっはっはっ! 気にしないで。
ー入院生活と、そして世の中に新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大するなかで、この数カ月はどのような生活を送っていましたか。
まあ、恐れはあった。ただし、差し迫った恐れという意味ではないな。人付き合いを避けるのをやめ、人ごみに混じり、マスク着用を怠れば、それはトラブルに巻き込まれることになるだろう。でも私はそんなまねをするつもりは一切ないから。
ー新型コロナウイルスは音楽業界にも大きな影響を与えています。これによって作曲者、演奏者側とリスナー側双方の意識も変化してきていますが。
まったく前代未聞の状況だよね。今生きている者でこんな世界規模のパニック、世界的なパンデミックの中で暮らしたことがある人間はまずいないだろう。
だから何もかもが不透明で不安に思えるし、どう作品を出すか、出さないか、コンサートを行うか、行わないと決めるかなど、さまざまな問題がある。非常に骨の折れる時期であり、いくらかの正常さを得るのすら困難な時期だね。