2歳から太鼓一筋で鼓童へ
―太鼓は2歳で始めたそうですね。
一般家庭の出身なのですが、母に連れられて地元の盆踊りへ行った時、踊りでもほかの楽器でもなく、太鼓に引き寄せられていったそうです。そこから月2回、地元の保存会で練習するようになりました。小学生からは太鼓のグループの東京都の代表としてコンクールにも出場して。なので、皆で一緒に演奏し一つの作品を作り上げるという体験は、自分の太鼓のルーツとして大きなものになっています。
ただ、コンクールでは評価基準が厳密に決められているところや、順位を競うところが苦しくて。太鼓は本来、人それぞれの魅力があると思うので、中学1年生の頃にそのグループは辞めてしまいました。
―ということは、物心ついた時からずっと太鼓漬けの日々?
そうですね。小学4年生の頃に鼓童の「佐渡へ」という舞台を観ました。5人ほど女性の打ち手がいたのですが、その中でも特に、堀つばささんというプレーヤーの体のさばき方や太鼓がカッコよくて、この人と同じ舞台に立ちたい!と、鼓童を目指すようになりました。
中学時代はソフトボールなどもやったのですが、高校は鼓童に入るために、舞台の勉強ができる都立総合芸術高等学校に通って。演劇や舞踊などについてスタッフワークも含めて勉強できる新設の高校で、私は1期生。同期は「劇団四季」や「宝塚歌劇団」や海外のバレエ団などへ行きました。ここで日本舞踊や能なども勉強したのは、大きかったですね。
そして18歳の頃、鼓童の研修所に入り、2年の研修を経て鼓童に入りました。残念ながら、堀さんはもういらっしゃらなかったのですが。