Hardwell
Photo: Gerard Henninger
Photo: Gerard Henninger

インタビュー:ハードウェル

「ULTRA JAPAN」出演のオランダ人DJに聞く、音楽のこと、日本のこと、水分補給のこと

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ロバート・ファン・デ・コルプット。29歳。DJハードウェル(Hardwell)の名の方が分かる人は多いだろう。彼がこの仕事を始めたのは、なんと10代前半のころだったという。それから20年近くが経ち、このオランダ人DJは、世界のトップDJ2度も選ばれた。現在では自分のレーベルも立ち上げている。

世界中のファンを魅了し続ける彼が、ギグの合間を縫ってタイムアウト東京の取材に応じ、最近の変化や、2017年9月16日(土)に開催が迫った『ULTRA JAPAN 2017』で心待ちにしていることなどを語った。

ーあなたは12歳でこの世界に入り、14歳で初めてのレコードをリリースしています。当時と今とで大きく変わった点と、ずっと変わらない点は何でしょう。

その頃からいろんなことが変わったけれど、一番大きな変化は、家から離れて仕事をする時間の長さかな。子供の頃は、学校に通って家に帰る生活だったわけだけど、今は年がら年中旅が続いて、様々な国を飛び回り、世界中のフェスティバルやクラブに出演しなくちゃならないのだから。ライフスタイルがもう根本から変わってしまったね。もちろんそれは、僕がDJになろうと心に決めた時から夢見ていたことなんだけれど。

ずっと変わらないものは何かというと、この手で音楽を作り出して、音楽を愛する大勢のファンの前でプレイしたいというパッションだと思う。望む生活を続けながら、僕はますますハングリーになってきているし、音楽を作りプレイし続けることこそ、僕の「キャリア」なんだ。

ーこれまでのキャリアのハイライトと言えるものは何ですか。 

たくさんあるけれど、1つ選ぶとすると、初めてのツアーの『I Am Hardwell』の最後、完売となったニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでのショーが特別な思い出かな。世界でもっとも有名な場所だし、そこにはレッド・ツェッペリンやエアロ・スミスをはじめ、2pacやノトーリアス(NotoriousB.I.G.といった、最高のロックバンドとヒップホップのスターも参加したんだ。世界の大スターたちが集まってパフォーマンスする場に参加できたなんて、クールとしか言いようがないよ。 

ーあなたは、同じオランダのブレダ生まれのDJティエスト(Tiesto)の大ファンであり、そこから多くのインスピレーションを受けているということは多くの人が知っています。ほかにあなたに影響を与えた人はいますか。 

チャッキー、レイドバック・ルーク、フェリー・コーステン、アーミン・ファン・ブウレンら、たくさんのオランダ人DJが僕の成長を助けてくれたんだ。オランダのシーンは昔から、電子音楽の才能にあふれた人たちで活気があったし、彼らがいつもインスピレーションを与えてくれる。オランダの音楽シーンは本当にすごくて、僕はオランダ人であることを誇りに思う。

ー『ULTRA JAPAN』出演はこれで3度目ですね。何かフェスに変化を感じますか。また将来、どんな風に変わってほしいと思いますか。

もちろん感じるよ!年を追うごとにイベントがどんどん進化しているのが分かるよ。『ULTRA』の一翼を担ってもう何年にもなるけど、日本という愛すべき国の中で、どんどん大きくなり広がっていくのを目の当たりにし、信じられないような気分なんだ。 

関係者の人たちの努力によって、この素晴らしいフェスが作り上げられてきた訳だけど、ファンの皆も共に体験を形作ってきたんだ。今年はきっとスペシャルなことが起こると思うから、今からうずうずしているんだ。

ーあなたは頻繁に旅に出ていますが、アジアの『ULTRA』のスケジュールを見ると、毎日国から国へと渡り歩くことになりそうですね。ハードスケジュールをこなすために決めていることはありますか。

今年はたくさんのショーが短期間に詰まっていて、大変なスケジュールになってしまったよ。ツアーの度にやっていることといえば、できる限り健康状態に気を配り、水分を十分に摂ることかな。パーティーは大好きなんだけど、僕は一回一回のショーを大切にして100パーセントの力を出し切ることにしているんだ。僕がデッキに立つ時はいつも、ファンの皆さんに何か特別な思い出をプレゼントしたいんだ。

ー東京にお気に入りの場所はありますか。街歩きする時間はありますか。

ツアー生活はつらいもので、旅行客なら当然行くような場所でも、見て回ることができない。でも東京はもう何回も来たことがあるので、いろんな街角を見ることはできたよ。本当に良い街だと思う。どのカフェもどのレストランも素敵だし、オランダともほかの街とも全然違う。

ーあなたは武道も相当な腕前だそうですね。柔道をやっていると聞きました。

そうそう、DJになる前は柔道に打ち込んでいたんだ。今でもやりたいんだけど、DJと曲作りが生活を支配しているし、ツアーが始まると、なかなか稽古の時間を取れなくなるんだ。最近はジムに通って十分にトレーニングしているし、ボクシングやいろんな格闘技もしている。それもまた楽しいよ。

2年連続で世界のトップDJに選出された上に、数多くの賞も受賞し、自身のレーベルや財団も持っています。今後の予定は何でしょう。

信念を持って曲を作っていくし、全身全霊でDJを楽しむつもり。音楽は僕のすべてだし、この先何年もこの生活が続いてほしいと願っているよ。

ー最後の質問です。言いたくないけど実は好きという音楽はありますか。 

音楽ならどんなものでも好きだよ。好きになって罪悪感を感じてしまうような音楽は何もない。ただ、ファンの皆は驚くかもしれないけど、実は僕はアデルのファンなんだ。素晴らしいソングライターだし声も抜群だと思う。

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