インタビュー:平塚真里、イリ サーリネン
撮影:谷川慶典
ドキュメンタリー映画『おクジラさま ふたつの正義の物語』は、捕鯨問題をめぐり騒動の焦点となった和歌山県の太地町が舞台。2009年にアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した、日本のイルカ追い込み漁を描いた映画『ザ・コーヴ(The Cove)』の影響で、「イルカ殺しの街」として有名になったこの町を監督の佐々木芽生(めぐみ)は、6年間追いかけた。入り江に抗議に集まるシーシェパードと、漁に繰り出す町民、両者の対立を一歩引いた視線で映し出す。佐々木は、太地町で起きている問題を「自分と相容れない他者との共存は可能なのか」と視聴者に投げかけ、グローバリズムの波に直面する地方の苦悩を克服するヒントとして提示し、問題を考えるきっかけを与えてくれる。インタビューでは制作の経緯や本作への思いを聞いた。