ミレニアム ファルコンのプラモデルを作って、部屋で投げたりしてた
−まだ観ていない映画についての監督インタビューは、あまりしたことがありませんが今日はよろしくお願いします……
喋ってはいけない映画についてのインタビューっていうのも、僕もあまりしたことがないよ。だから僕らは同じ穴のムジナだ。
−少しずつ進めてみましょう。今、おいくつですか
あと数日で44歳になります。
−ちょっと早いですけど、お誕生日おめでとうございます。ということは、スターウォーズ世代ですね。子供の時はファンでしたか
スターウォーズは僕の世界のすべてだったんだ。4歳のとき、父が僕を車に乗せて映画館に連れて行ってくれて。1970年代に子どもだった僕は、映画を何度も観に行くことはできなかった。映画館で1度観たらそれきりだ。当時は映画というよりも、僕の年代の人からよく聞くことかもしれないけど、映画のキャラクターのフィギュアが大きな役割を果たしていたんだ。
−私もヨーダのフィギュアを4つ裏庭で壊しました
僕らは同じ経験をしてきているね。僕が初めて「創造した劇」は、スターウォーズの世界を舞台に、フィギュアのキャストたちとだったんだ。
−スターウォーズのベッドシーツで寝ていましたか
もちろん!『アンダールーズ(Underoos)』 (子ども向けのスーパーヒーローの下着ブランド)も持ってたな。ミレニアム ファルコン(宇宙船)のプラモデルを作って、部屋で投げたりしてた。僕もフィギュアを壊してたな。壊さなかったものといえば、ハンマーヘッドとウォーラスマンくらいだったかもしれない。
−何十年か後に、それをガレージで見つけて、涙を流しませんでしたか
まさにその通り。面白いことを言うね。今回、初めてミレニアム ファルコンのセットを歩いたとき、自然と感情的な反応が起きたんだ。息が詰まって、どうしようもなくなった。映画を思い浮かべたんじゃないんだ。『ケナー(Kenner)』(玩具メーカー)のフィギュアや、子どもの頃にファルコンの中にいる自分を想像したことを思い出していたんだ。狼狽(ろうばい)したよ。