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映画「美女と野獣」、エマ・ワトソンの考えるベルの姿

エマ・ワトソン、ビル・コンドンに聞く、フェミニストなディズニープリンセス像

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インタビュー:Cath Clarke

ディズニーのアニメーション作品『美女と野獣』の実写映画版が公開される。主人公のベルはエマ・ワトソンが演じ、映画『ドリームガールズ』などで知られるビル・コンドンが監督を務めた。1740年にフランス人のヴィルヌーヴ夫人によって最初に書かれた『美女と野獣』は、1946年にジャン・コクトーが映画化するなど、過去にも数回実写化されてきた。ディズニーのアニメーション作品を原型とした本作では、「はみだし者のプリンセス」として、ディズニープリンセスの型にはまらないフェミニストなプリンセスが生み出された。本作についてエマ・ワトソンとビル・コンドンらに話を聞いた。  

原文はこちら

ベルは、ディズニープリンセスらしくない、はみだし者のプリンセス

エマ・ワトソンは、ロンドンでの『美女と野獣』の試写会に行くとき、大切な2人の女性を連れて行った。母親と、彼女の考えるフェミニストの英雄の1人であるグロリア・スタイネムだ。26歳のスター女優ワトソンは、自身の演じるディズニープリンセスがフェミニストたちにも認めてもらえるのか、スタイネムの確認を必要としていたからだ。そして、それは合格した。

それが、典型的なワトソンの姿である。彼女はハーマイオニーのように自身の行いのすべてが重要だと信じている聡明な努力家だ。彼女は、2015年の実写版シンデレラのオファーを受けたが、この役を断った。しかし、フェミニストのDNAを持つプリンセスである『美女と野獣』のベルは違った。「私の大好きなヒロインの核にあるのは、常識に逆らう、とても自立した考え方です」と彼女は言う。「ベルが自身で物事を判断することにとても共感します。ベルは、ディズニープリンセスらしくない、はみだし者のプリンセスです」。

インタビュー漬けの長い1日の始まりの午前10時、ワトソンはフレンドリーながらも集中した様子で、チョコレートクロワッサンのパンくずをテーブルから払い落としている。少女だったころ、1991年のアニメ版『美女と野獣』を繰り返し見ていたという。「頭がおかしくなると思うほど何度も見ていたと両親に言われました」。

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男子よりも本に興味を持つベルを描いた1991年版は、ディズニープリンセス映画として画期的だった。そして、「これを21世紀のフェミニストにも通じる話にするにはどうすればいいのか」と、今作の監督であるビル・コンドンは問題にぶつかったが、その答えはワトソンを配役することだった。

本作で使用されている楽曲を作曲した1人であり、3つの新曲を作ったアラン・メンケンは、「エマは完璧でした。素晴らしい女優であり、確固とした意見と品位を持つ本当に聡明な女性です。少しは迷いがあったかもしれませんが…」。

ジェンダーフリーの著名人として、ワトソンはフェミニストの問題に取り組んできた。2014年、彼女は国連で演説し、男性の行動を促す『HeForShe』キャンペーンを打ち立てた。自身の演じるベルがその価値観に沿っているのかを確実にする責任を感じていたのだろうか。「もちろんです。表に出て演説をしておきながら、自分で実践しないわけにはいきません。私はこの信条に従って生きなければなりません」。

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大学に行くことは人々からは歓迎されませんでした

コンドンとワトソンは手を取り合い、ベルに変化を加えた。1991年のアニメーション作品では、ベルの父親は発明家だった。今作ではベル自身も発明家であり、読書の時間を増やすために洗濯機を完成させる。ワトソンはベルの靴について衣装デザイナーのジャクリーヌ・デュランと協力し合い、たいていの10代の少女たちがそばかすを嫌っているので、そばかすを隠さないことにもこだわった。ベルは、コルセットを着けた姿を目にすることのない唯一のディズニープリンセスだ。しかし、野獣役のダン・スティーブンスは気の毒にも、18kgものボディスーツとその下に冷却ベストを着込んで、すべてのシーンで演技した。「数シーン撮るごとに冷却のスイッチを入れてもらえたので、心臓麻痺を起こさずに済みました」と話す。

「キャリアの方向性を決めるのは簡単ではない」とワトソンは言う。「物事を決める時、私は自分の心に従います。私のキャリア上の決定として、ハリー・ポッターから抜け出して大学に行くことは人々からは歓迎されませんでした。しかし、私は自分の心のささやきに忠実であろうとしています」。

映画『美女と野獣』
2017年4月21日(金)より全国ロードショー

映画『ハリー・ポッター』シリーズでハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンを主演に迎え、不朽のディズニーアニメーション『美女と野獣』を実写映画化。魔女に呪いをかけられ、醜い野獣の姿に変えられてしまった王子は、魔女が残していった1輪のバラの花びらがすべて散るまでに「真実の愛」を見つけなければ、永遠に人間に戻れなくなってしまう……。

監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーブンス、ルーク・エバンス、ケビン・クライン

公式サイトはこちら

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