ーあなたは本物ですか?『ザ・ガーディアン』のような大手新聞社も、偽物のインタビューでだまされていますからね。
バンクシー: いや、自分が偽物だったらどんなに良かったかと思うよ。あまり目立つような性格じゃないから、キャラクターを作り上げるのが大変なんだ。例の映画について宣伝したいけど、ラストを台無しにしたくないから映画自体については話したくない。このページ、白紙にして読者が好きな絵でも描けるようにしたらだめかな。
ーでは、少なくともなぜあなたが自身の作品を史上初のストリートアートの失敗作と呼ぶのかを教えてもらえませんか。あなたの最後の映画作品ということですか。
バンクシー:今回の映画で関わった経験のすべては、あらゆるレベルで失敗だったと思ってる。これは僕の映画界初進出の作品で、大コケして、次に続かなかった作品として世に広まるんじゃないかな。
ー始まりはアートでしたね。次にアニメ。そして映画……。未来のウォルト・ディズニーになれると思いますか。
バンクシー:そんな風に考えたことは一度もないな。グラフィティをしたりして器物破損をする人たちのための巨大テーマパークを作るのはいいかもしれない。ビースティ・ボーイズの『ライセンスト・トゥ・イル』が発売された時、ちょうど夏休みのキャンプ合宿に出かけていた。瞬く間に、子供たちは首からフォルクスワーゲンのバッジをぶら下げるようになったんだよ。街中の車から盗んできたやつだ。ついに警察がキャンプ場になだれ込んできて、町長には子供用プールの脇でかなり説教されたな。