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障がい者やコンテンポラリーアーティストらによる作品展『Museum of Together(ミュージアム・オブ・トゥギャザー)』が、表参道駅近くのスパイラルで開催されており、独創的な作品群が来場者の目を楽しませている。2017年10月31日(火)まで。
日本財団が取り組む、障がい者のアート活動などを通して多様性豊かな社会の実現を目指す『日本財団DIVERSITY IN THE ARTS』の一環として初めて開催。キュレーションはロジャー・マクドナルド(Arts Initiative Tokyo)と塩見有子(同)が担当し、軽度から重度までの身体障がいや知的障がい、自閉症などの作家から、幅広く作品を選んだ。会場には、国内外で活動する10〜70代の23作家の作品約500点が並んでいる。
様々な人に作品鑑賞に参加してもらうため、障がい者らに助言を仰ぎながら会場の設計も工夫。車いす利用者が鑑賞できるよう、スロープを設置したり、作品の展示の高さを低くしたりした。視覚障がいの人でも展示を理解できるよう、作品と同じ素材のサンプルを用意したり、作品の大きさや色などを説明する音声ガイドを設けるなどした。こうした工夫について、マクドナルドは「展示作品と同じくらい大切なのがアクセシビリティ」と強調、「展覧会をいかに21世紀型のものにできるか」を念頭に開催準備を進めたという。
展示されている作品は、オリジナリティがあふれる個性的なものばかり。マツコ・デラックスやJ Soul Brothersなど有名人を表現した刺繍(ししゅう)や、コーヒーと墨で描いた何十枚もの抽象絵画、クヌギの枯れ葉で作った動物の模型、チラシをひたすら集めてセロテープでぐるぐる巻きにした巨大な球体など、幅広い素材と制作手法、発想で生み出された作品が並んでいる。
会場入り口で配られるハンドブックに掲載されている作品説明と制作者紹介を読みながら会場を回れば、より楽しく感じられるだろう。マクドナルドは「作品はいろいろな捉え方ができるので、プロのアーティストから障がいを持つ人までぜひ見に来てほしい」と来場を呼びかけている。
関連ページ『Open Tokyo』
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