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オフィスと商業ゾーン、医療機関、住宅からなる複合施設が2017年9月29日、赤坂に誕生した。ビジネス街としてのイメージも強いエリアだが、敷地の中央には大規模な緑地が配置され、都心にありながらも豊かな自然を感じられる心地良い空間だ。ここでは、商業ゾーンにオープンする15の飲食店から厳選した5つの店を紹介する。
食のセレクトショップ、ディーン&デルーカが手がけるラボラトリーレストラン。1階ではアラカルトメニュー、2階では10品で1万2,000円のコースメニューのみを提供する。同店の特徴は、コースメニューを担当するシェフが3ヶ月ごとに代わること。彼らはメニューを考える際に必ず1ヶ月間旅に出て、そこで出会った食材や交流した生産者から得たヒントをもとに、提供する料理を決めていく。そのため、同じレストランであっても3ヶ月ごとに違った表情の料理を楽しめるのが面白い。「人にも、地域にも、環境にも無理のない料理を作る」をテーマに、コースメニューは24節気ごとに料理が変更される。その時に本当に美味しい旬の食材が楽しめるのも嬉しいところだ。料理の提供以外にも、料理教室や生産者と交流できるメイカーズディナーなどを開催し、フードラボラトリーとしての役割も担っていく。
2.コーテシー
アーティストの舘鼻則孝をクリエイティブディレクターに迎えたレストラン。店内には舘鼻のアート作品が多数展示されている。モーニングとランチでは、働く女性をイメージした華やかなパンを中心にカフェメニューを提供。昼間は大きな窓から自然光が入ってくるので、明るく気持ちの良い空間で食事をすることができるだろう。ディナーでは、尾崎牛をメインに、有機野菜をふんだんに使用したフランス料理がコースで提供される。店内にはキュービクルというショップコーナーが併設されており、オリジナルグッズやアートブックなどを購入することも可能。
1855年にローマで誕生した老舗ロースター。日本4号店となる同店では、薄い生地が特徴のローマピザを量り売りで提供する。グラム単位で注文することができるので、欲しい分だけを購入できるのが嬉しい。そのほか、ピザ生地で作ったパニーニや和牛100パーセントのパテにパルミジャーノをふんだんにかけたイタリアンハンバーガーも用意。ローマで160年以上愛され続けているコーヒーとともに味わってほしい。
100年前のベルギーのビアカフェをイメージしたビアパブ。ベルギー産を中心とした10種類の生ビールと、数人でシェアできる750ミリのボトルビール10種類を楽しむことができる。特に注目してほしいのが、「9ステップ」というサービング方法で注がれる生ビール。「9ステップ」とは、グラスの洗浄からビールの注ぎ方、泡の量など、9つの工程を経てビールを注ぐ方法だ。同店では、「9ステップ」の技術や正確性を競う大会『ステラアルトワ ワールド ドラフトマスター JAPAN』で2015年に優勝した石田巳伶が店に立ち、ビールを注いでくれる。温度も銘柄に合わせたベストな状態で提供してくれるというから驚きだ。グラスを洗った後、プロペラという道具でグラスを冷やすのだが、この機械にグラスを当てる時間を調節して3度、6度、10度の3つの温度にするのだそう。仕事終わりには、石田の技が光る最高の一杯で喉を潤したい。
プライムリブ専門店として、1938年にロサンゼルスのビバリーヒルズに誕生したレストラン。もともと赤坂ツインタワーに日本1号店を構えていたが、同ビルの建て替えにより2014年にクローズ。今回、約3年半ぶりに赤坂に帰ってきた。同店の目玉は、アメリカ国内で高い評価を受けているクリークストーン社のブラックアンガスビーフを使用したプライムリブ。低温でじっくりとローストし、肉汁を閉じ込めたジューシーな一品だ。ディナーでは、約120グラムの『トーキョーカット』から約500グラムの『ダイヤモンド・ジム・プレーディーカット』まで、5種類のサイズを用意。『トーキョーカット』は日本限定の最も小さいサイズとなるが、これでも筆者には十分なボリュームであった。天高5メートルという開放的な空間や、ニューヨークの照明デザイナー、デイヴィッド・シンガーが手がけたオリジナル照明も店の華やかさを演出している。