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歌舞伎町のビルで開催中の、Chim↑Pom展示会をレポート

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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歌舞伎町のシンボルであったコマ劇場がなくなり、ミラノ座、元キャバレーのニュージャパンなどが相次ぎ閉鎖。コマ劇場の跡地には新宿東宝ビルがそびえたち、歌舞伎町はすさまじい変貌を遂げている。そんな歌舞伎町を舞台に、エリイ、卯城竜太、林靖高、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀によるアーティスト集団Chim↑Pom(チンポム)による展示『また明日も観てくれるかな?~So see you again tomorrow, too? ~』が10月31日(月)まで開催されている。 

これまでにも、広島や福島でメッセージ性のある作品を発信してきたChim↑Pom。今回は、「スクラップ&ビルド」をテーマに2020年の東京オリンピックに向けて大規模な都市開発が行われている東京に切り込む。政府は「復興五輪」をスローガンに掲げているが、そもそも復興、街とは一体何なのかと都市の姿を追っている。

会場は、新宿東宝ビルの裏手にある歌舞伎町振興組合ビル。受付を済ませて4階へ上がると部屋の中央の床が1階まで、ぶち抜かれている光景に驚かされる。 これは、フロアを切り抜き、そのまま真下の1階に瓦礫を積み重ねた巨大彫刻作品『ビルバーガー』。今回のテーマ「スクラップ&ビルド」を可視化しているという。

そのほかにも、毒えさの効きづらい進化したネズミ「スーパーラット」を捕獲し、ピカチュウそっくりに剥製化したプロジェクトの最新版『SUPER RAT -Diorama Shinjuku』、カラスの剥製をちらつかせるなどして、東京の名所上空にカラスを集めた映像作品『BLACK OF DEATH』などが展示されている。

Chim↑Pomのポートレートでもあるスーパーラット。新宿で捕獲したネズミの剥製が新宿の街を襲っている。

会期終了後には、歌舞伎町振興組合ビルは作品とともに取り壊され、新たなビルがこの場所に建つ。そう、展覧会そのものが「スクラップ&ビルド」を体験するのだ。2020年に向けて様変わりしていく東京。Chim↑Pomはこの街に何を見たのか、そして未来の都市は……。刺激的なメッセージと遊び心溢れる展示を体感してほしい。

なお、展示終了後には、拾い集めた作品の残骸を用いて、同じく建て壊し物件である渋谷パルコのネオンサインなどとともに、第2弾の個展として再構築される。

『また明日も観てくれるかな?~So see you again tomorrow, too? ~』の詳しい情報はこちら

『青写真を描くversion 2』歌舞伎町振興組合の事務所を丸ごと壁に焼き付けた作品。

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