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古代から受け継がれてきた日本の刺青文化は、江戸時代末期に、歌川国芳を代表とする浮世絵などの技法を取り入れて洗練され、刺青の技術が大きく発展した。現在では、伝統的な和彫りだけでなく、タトゥーマシンを用いた現代的な洋彫りなど多種多様なものが産み出されている。しかし、その刺青を入れるアーティーストである彫り師に危機が迫っている。
タトゥーを施す行為は、現在の法律では、医師免許を持つものにしかできない「医業」であるとしているため、医師法違反の罪で彫り師、増田太輝が略式起訴されたのだ。しかし、タトゥーは医師でなければ彫ってはならないと言われてもそのイメージすら浮かばないだろう。増田は、「自分の仕事を犯罪と認めるのか」を疑問に感じ裁判に踏み切ることにした。
この事件を受け、増田は「一般社団法人 SAVE TATTOOING」を設立。5月末までの今期通常国会の会期中に、刺青についての法制度の設立に関する請願書を提出予定だ。「一般社団法人 SAVE TATTOOING」では、実態にも時代にも合わない法解釈を見直し、安心して刺青を楽しめる法制度を設立すべく、以下の内容を訴え国会に提出する。「保健衛生上、安全にイレズミを彫れる者に対して、日本国内においてイレズミを彫る事を認める法律制度の制定」、「保健衛生上、安全にイレズミ用品(針・インクなど)を取り扱える者に対して、イレズミ用品の輸入及び販売を認める法制度の制定」の2つだ。
日本の刺青文化は、その歴史や、芸術性や技術の高さから海外からも高い評価を受けている。この伝統を継承し、さらなる発展を目指すには新たな法制度は必要なものではないのだろうか。昨年、タイムアウト東京では、日本の刺青の歴史と東京のタトゥースタジオを紹介する記事を展開した。『東京で行くべきタトゥースタジオ』で刺青についてあわせてチェックしてほしい。
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