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北欧の味は六本木で。フィンランドレストランが期間限定オープン

テキスト:
Ili Saarinen
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2017年3月1日(水)にフィンランドレストランがオープン。さっそくタイムアウト東京のフィンランド人エディターが行ってきたので、彼の感想をレポートする。

ムーミンカフェや輸入もののドーナツショップ、その他様々なポップアップショップはあるが、本物のフィンランドレストランはない。つい最近まで、東京でフィンランドの味を楽しみたいと思ってもそれは叶わなかった(おかげで今日までスリムなままでいられたわけだが)。しかし、北欧諸国最東端であるフィンランドのデザイン、ファッション、さらには音楽(ほぼメタルを意味する)さえも、過去10年の間に日本国内のその界隈ではかなりの人気を博しているので、グルメの世界でも同じように人気が上昇しても不思議ではない。

先陣を切るのは、2017年3月1日(水)に六本木ヒルズでオープンし、2018年1月末まで限定で(これはフィンランドの独立100周年記念日と一致する)フィンランド料理を提供する、落ち着いた雰囲気のとても素晴らしいレストラン、フィンランドキッチン タロだ。メトロハットの地下2階に入居するタロ(フィンランド語で家の意味)は、北欧諸国について広く知ってもらうことを目指している。例えば、使用している食器は『イッタラ』と『アラビア』のものだったり、家具はミニマルなデザインのものだったりする。店内は樺の木の枝で装飾されており、隣接する居酒屋と寿司屋の賑やかさといい意味で鮮やかなコントラストをなしている。

なにかとフィンランド産のものが多い店内だが、やりすぎといった印象は受けない。ムーミンの存在感は最小限に抑えられ、提供されるメニューはフィンランドの大使館の公式シェフ、エレナ・エダが監修した。エダが考案した『ビーツソース添えのローストポーク』や、心のこもった豆のスープ(木曜のみ)、そして『マカロニキャセロール』は、常駐シェフの松本勲の手に任されており、彼自身のオリジナルメニューもまた何種類か提供される。筆者は特に『ラピンクルタ』のビールを使った、香り豊かで家庭的な風味のビーフシチューが気に入った。

ドリンクメニューも面白く、輸入醸造として注目を集めるフィンランドのウォッカを効かせたカクテルなどを中心に、スカンジナビアの紅茶、フィンランドの大手コーヒー業者であるロバートコーヒーのサイフォンコーヒーなどがある。値段は850円とコーヒーとしては少し厳しい値段のように聞こえるかもしれないが、一口飲めば許容範囲と思ってしまうだろう。コーヒーはポットでサーブされ、たっぷり2カップ分以上は入っている。

デザート好きのことももちろん忘れてない。注目すべきは、創業160年になるヘルシンキのベーカリー、エクベリ直伝のとびきり美味しいベリーのタルトと、アイスクリームとフィンランドのベリーを添えた、シンプルでフワフワなオーブン焼きのパンケーキの2つだ。紹介したアラカルト料理とドリンクはすべて14時30分から注文可能、ラストオーダーは毎日22時となっている。一方、11時からのランチタイムでは、選べる3つのコースがあり、メインやサイドを組み合わせることができる。

タロは明らかにフィンランドの観光局にとって便利なPR手段で、レストランの見た目と雰囲気を可能な限り「本物」にするために、年予算のかなりの部分を使ったに違いない。しかし、現時点でこの街で最高のフィンランドの食べ物を提供し、非常にリーズナブルな価格で楽しめるという事実は揺るぎようがない。東京にあるミャンマーウズベキスタンベラルーシのレストランに行ったことがある人は書き留めてほしい。「東京に新しくできたエキゾチックなスポットは十分に行く価値あり」。

フィンランドキッチン タロの詳しい情報はこちら

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