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タイムアウト東京マガジンにて連載中のローカルレジェンド。この連載では、渋谷の絶滅危惧種ガングロギャルや、102歳のコーヒーレジェンド関口一郎など東京の街で活躍する人にスポットを当てて紹介している。今回は、和やかな雰囲気が流れる稽古場で、映画の名シーンをパントマイムで演じるテンナインのメンバーに話を聞いた。
彼らが演じる「シネマイム」とは、もとは1人で行う演技訓練方法のひとつ。これを集団でやったら面白くなるのではないかと主宰の関谷が思いつき、ある舞台の前座を務めたときに初めて披露した。関谷はこのパフォーマンスを俳優業の宣伝に使おうと考えていたのだが、今ではシネマイムの活動の方がメインになっているそうだ。
マイムのレパートリーには、『スターウォーズ』や『E.T.』、ジブリ作品など誰でも知っている名作から、邦画では『リング』、インド映画の『きっと、うまくいく』などバラエティ豊かに、合わせて30以上ある。そのなかから実際に『風の谷のナウシカ』と『魔女の宅急便』を披露してもらった。マイムは演者と活弁師に分かれ展開し、無声映画を観ているかのような気分になる。活弁師が、シーンの説明や役者に早口で的確な突っ込みを入れていくため、思わず笑ってしまう。
作品づくりについて尋ねると関谷は、「ジブリなどの作品は、子どものころから数えたら観ている回数が10回は超えている人が多いですよね。なので、シーンを演じたらだいたい皆さん分かってくれます。シーン自体が分かりづらいものでも、たとえば、ジャッキー・チェンってこうだよねという共通認識に訴えられるような、楽しめるものを意識して作っています」と教えてくれた。
また、今後の活動について関谷は、「2年後をめどにヨーロッパに行こうと考えています。『JAPAN EXPO』に呼ばれたいなと、そのためにシネマイムを色々な人に観てもらって、知ってもらえたらと思いながら活動をしています。また、海外で演じることを考えて、字幕を取り入れたパフォーマンスも検討中です」と語った。
テンナインのパフォーマンスは、早稲田松竹前で月に3、4回と、浅草橋の有鳥天酒場で月に1度行われている。スクリーンから飛び出して繰り広げられる名シーンの数々を見に行ってみては。