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モノ消費からコト消費へ、体験型観光を充実させるコンテンツとは

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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2017年10月24日(火)、観光庁による「楽しい国 日本」の実現に向けた観光資源活性化に関する検討会議の初会合が開催された。モノ消費からコト消費に移行している観光の需要を踏まえ、体験型の観光を充実させ、訪日外国人旅行者の滞在をより楽しく、価値があるものにし、消費を促していこうという試みだ。全7回の会議で課題を洗い出し、官民がそれぞれ取り組むべき具体策をまとめていく。

第1回目の検討会では、有識者として、小西美術工藝社代表取締役社長 デービッド・アトキンソンや、ランドリーム代表取締役兼WILLER取締役 原田静織、タイムアウト東京代表取締役 伏谷博之が参加し、さらなる観光客向けコンテンツの充実を目指し、取り組むべきテーマの発表などが行われた。

現在、実践されている体験型の観光というと、迎賓館など公的施設の開放や美術館、博物館の夜間開館など、公開活用できる観光資源を広げる取り組みが挙げられる。 今回、焦点が当てられたのは、ビーチの活用、ナイトライフの充実、チケット購入の簡易化などだ。ビーチの活用について、アトキンソンは「海がそこにあるだけでは、滞在時間が延びない。そこにサーフィンや様々なアクティビティがあることによって滞在時間が延び、質の高い観光の提供や観光客の消費につながる」と話し、「日本のビーチは海水浴の場と考えられており、9月になったら入水が禁止されてしまう。立ち入りできる期間を延ばし活用すべき」と提案した。

タイムアウト東京の伏谷は、ロンドンのナイトタイムエコノミーの事例を挙げた。サディク・カーン市長が、ロンドンをナイトライフのグローバルリーダーとするべく、「24-hour London Vision」を発表し、行政とナイトカルチャーを繋ぐ推進役として「ナイトシーザー」を任命したことや、2016年8月から主要地下鉄の24時間運行を開始し、約1年で1,71億ポンド(約240億円)の経済効果をあげたことなどを紹介した。伏谷は、カーンが「ナイトライフのグローバルリーダーを目指す」と言うように、ナイトタイムエコノミーの市場は世界の都市間競争となっていることを意識し、東京でしかできないナイトタイムエコノミーの創出に取り組むことがポイントではないかと指摘した。

今後、検討会議では、観光資源の開発、外国人向けコンテンツの充実、インフラ整備から情報発信の強化まで、さまざまな領域の課題の洗い出しをしながら具体的な対応策や取組みについてディスカッションを深めていく。行政側の都合を踏まえた観光のあり方を大きく改善することも重要だが、従来の業界などの枠組みにとらわれることなく、新しい観光のあり方を考えていくことがしっかりと結果につなげるための鍵となりそうだ。

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