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ブラインドサッカー・ノーマライゼーションカップについて知りたい5のこと

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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写真:日本ブラインドサッカー協会

テキスト:星野恭子

2017320日(月)の祝日、埼玉県のフットメッセ大宮にて、ブラインドサッカーの大会、『ノーマライゼーションカップ』が行われるのを知っているだろうか。最近パラスポーツという言葉はよく聞いても、まだ実際に試合を観戦したことがないという人は多いだろう。今大会は日本代表が王者ブラジルをホームに迎えて行う貴重な試合で、しかも無料で観戦できるので、パラスポーツビギナーにも、ずっと観戦を続けている人にもおすすめだ。どんなことを知っていたらもっと楽しめるか、紹介したい。

1. ブラインドサッカーは音を頼りにプレイする。

ブラインドサッカーは、視覚障害があるフィールドプレイヤー(FP4人と、晴眼者または弱視者が担うゴールキーパー(GKとの5人制のサッカーで、パラリンピックの正式競技。公平に競技できるように、FPは皆アイマスクをつけ、全く見えない状態でプレイする。頼りにするのは、転がると音が出る特製のボールや、チームメイトや相手選手の声や気配。例えば、ゴールの位置やシュートのタイミングは相手ゴール裏にいるガイド(コーラー)の指示などをもとに選手が判断する。衝突防止のため、ゴールを奪いにいく選手は「ボイ(Voi)」と声を出すのがルール。ボイは、スペイン語で「行く」を意味する。40m×20mのフットサルのピッチを使うが、ボールや選手がピッチ外に飛び出さないように、 サイドラインには高さ1mほどの壁が立っているのが特徴。壁は、選手が自分の位置を把握することにも使われる。アイマスク着用が信じられないほど俊敏な動きでピッチ内を自由自在に走り回り、ボールを巧みに扱う選手たちの姿には、きっと驚かされるだろう。

2. 最高の応援は、黙って見守ること。

ブラインドサッカーでは、「音」が競技の鍵を握る。選手が音からの情報を十分に得られるよう、観客にはプレイ中、静かに見守ることが求められる。特にゴール前の攻防ではボールの行方を知ることが重要なので、「あ~」などのため息は厳禁。ぐっと我慢しよう。とはいえ、見えない選手にとって、声援が力になることは間違いない。応援リーダーの指示に従えば安心だ。特にゴールが決まった時は大声援で讃えよう。選手はその声で、シュートの成功を知ることができるのだ。

3. パラリンピック4連覇の絶対王者ブラジルが来日する。

ブラジルはブラインドサッカーがパラリンピック正式競技になった2004年アテネ大会以来、昨年のリオデジャネイロ大会まで4連覇中で、世界ランキング1位の圧倒的な強さを誇る。選手それぞれが個人技に長け、またチームプレイもレベルが高い。今回、金メダルを獲ったチームの主力がほぼ来日する予定だ。ブラジルには、決定力のある二枚看板がいる。現在まだ来日メンバーは確定していないが、ひとりはパラリンピック3大会連続出場でキャプテンのリカルド・アウベス選手は必見だ。技術的にも精神的にもブラジルの大黒柱。リオ大会では、10でイランを下した決勝で値千金のゴールを決めたのもアウベス選手だ。もう1人はジェフェルソン・ゴンサウベス選手で、スピードに乗ったドリブルで相手守備陣を次々と交わし、シュートを放つ高い個人技に目が惹きつけられるはずだ。

※(3月7日追記)アウベス選手、ゴンサウベス選手ともに来日メンバーに入らないことが発表された。

4. 日本代表は攻撃面を強化し成長中。

日本代表はこれまで、親善試合なども含めブラジルと6戦して未勝利だ。だが、201511月に就任した高田敏志監督のもと、以前から定評ある守備をベースに、攻撃的なプレイモデルにも取り組み、昨年は強豪中国から初勝利を挙げ、アジア王者のイランからは初得点を奪うなど着実に力をつけている。ブラジル戦に向け、「2点獲りたい」と高田監督は意気込む。2013年のノーマライゼーションカップでは12で敗れたものの、ブラジルから奪った唯一の歴史的ゴールを決めたのは、この試合が代表デビュー戦だった川村怜選手だ。4年を経て、エースで主将となった川村選手を中心にベテランと若手が融合した日本代表が王者ブラジルに挑む今大会は、2020年東京パラリンピックで金メダル獲得を目標に掲げる日本にとって、強化の成果を測る重要な試金石でもある。

5. 観戦初心者も安心のガイドがある。

スポーツ観戦はルールやプレイの内容が分かると、もっと楽しめるもの。ブラインドサッカー・ノーマライゼーションカップでは、ラジオによる音声実況解説も実施される。選手のプレイの邪魔にならないよう、それぞれがイヤホンで聞くかたちとなるが、ラジオ貸し出しサービスもあるので安心だ。ピッチの周辺では、ブラインドサッカーの体験ブースも設置されるなど楽しい催しもある。

『さいたま市ノーマライゼーションカップ』の詳しい情報はこちら

執筆:星野恭子/フリーライター。「障害者のスポーツ」をメインに執筆し、2006年頃から国内外の大会取材を始めた。最近の活動はウェブサイトをチェック。

写真:日本ブラインドサッカー協会 

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