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日本語と英語両方で東京の最新情報を紹介しているタイムアウト東京。定番の観光地や新着イベント、ニューオープン情報、映画レビュー、インタビューなど内容は多岐にわたる。この記事では、英語版ウェブサイトに掲載されているレストランやショップ、ホテル、公園などのヴェニュー記事に焦点を絞り、6月に読まれた人気の記事トップ20を紹介する。英語版の主な読者は外国人のため、ランキングは、東京を訪れる外国人がどこに注目しているかを示していると捉えていいだろう。日本人には知名度が低くても外国人には人気が高いようなスポットも多く、興味深い結果となった。
まずは20〜11位。
17位に入った森美術館は、5月のランキングでは28位だった。一気に順位を上げたことについて、タイムアウト東京のオランダ出身ライター、カースティ・バアーズは「梅雨の時期でも楽しめることが理由ではないか」と分析する。7月5日(水)からは、東南アジアの現代美術を紹介する『サンシャワー:東南アジアの現代美術展』が開催予定で、アジアの芸術文化に興味がある人々からさらに注目を集めるだろう。
日本人にとっては「観光地」とは言い難いながらもランクインしたヴェニューが、13位のダイソー 原宿店だ。5月の順位は16位だった。訪日観光を扱うテレビ番組では、街頭インタビューされた外国人が「日本の100円ショップの製品は質が高い」などとコメントしている場面をよく見るが、バアーズによると、そうした発言は本音だそうで、「質はすごく高いし、便利なものが多い」という。原宿という人気観光エリアにあるうえ、3階建てで豊富な品ぞろえを誇る点も人気の秘密のようだ。
続いて10〜1位。
日本を訪れる外国人の間で「Drunkard's Alley」として知られるのが、8位ののんべい横丁だ。小規模な飲み屋がいくつも連なり、日本の横丁文化を体験できる場として注目を集めている。バアーズは「渋谷のスクランブル交差点を見た後、センター街を通り、のんべい横丁に行くコースが人気」と立地の良さも指摘する。
5月に6位、6月でも7位と上位を維持するバーデと天然温泉 豊島園 庭の湯の人気は、外国人の温泉に対する関心の高さをうかがわせる。バアーズは「ヨーロッパの人にとっては、温泉があるのは北欧やトルコ、ハンガリーくらい。温泉文化に興味がある人は多い」と気持ちを代弁。特に庭の湯の場合、水着着用の風呂もあることに加え、日本庭園も備えているため、外国人にとって行きやすいのだろう。記事内では紹介しきれないが、30位以内にランクインした温泉施設は4つもあった。
1位は、5月に引き続きロボットレストランが獲得。旅行雑誌やインターネット動画などでもたびたび紹介される観光地で、3月のランキングでも1位、4月は2位だった。バアーズは、「時間のない旅行者にとって、クレイジージャパンというイメージを簡単に体感できる場として人気」と解説、「日本=ロボット」という印象が強いため「初めて行く人も満足できるスポット」だという。
7月は梅雨が終わり、外出する機会が増えるはず。テラス付きレストランや公園などのヴェニューが人気を集めるかもしれない。ロボットレストランの牙城を崩すヴェニューは現れるのだろうか、楽しみだ。