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遥かなる大空に悠然とたゆたう輝き、オーロラ。その息をのむ美しさを、一生に一度は体験したいと思っている人は多いが、実はフィンランドでは8月末からオーロラのシーズンが始まることを知っている人は案外に少ないのではないだろうか。極寒のなかでこそ見られるもの、との印象もあるせいか、旅程の遠さや空気の冷たさを思い最高の機会への挑戦をためらっている人もあるだろう。
もちろん、この奇跡の光景は自然現象であるから、行けば必ず出会えるというものではない。暗く長い夜を相手に辛抱強く待つことが要求される。しかしながら、たとえばオーロラで人気のフィンランドのリゾート地、サーリセルカでは、12月から2月の平均気温が氷点下10度を軽く下回るのに対して、9月の平均気温では5度弱と、実に20度近くの開きがある。また天候も安定する秋ならば、せっかくオーロラが発生したのにもかかわらず雲のせいで美しい光が遮られるということも比較的少ない。どのみち長期戦になることを考えれば、十分に心強い条件ではないだろうか。
太陽と地球の関係、海から生まれる雲など、様々な要因が整い時折その輝かしい姿を見せるオーロラは、古代より人々に多くのイマジネーションを授けてきた。フィンランドでは、北極圏から訪れる狐たちが放つ火花がオーロラになると信じられていたようだ。そんな魔法のような神話を、『REVONTULET - 狐火』と題してフィンランド政府観光局が幻想的なアニメーションに仕立て公式サイトにて公開している。シンプルながら旅情を誘う映像美から、フィンランドでの神秘的なオーロラ鑑賞に思いを馳せてほしい。
「北欧」と言われると遠く感じるかもしれないが、フィンランドは実は一番近いヨーロッパ。フィンエアーの直行便を利用して、10時間程度で簡単に行くことができる。遅めの夏休みを取る人などは、このベストシーズンにぜひオーロラ旅の計画を一考してほしい。やはりフィンランド政府観光局が公開している『オーロラのベストシーズン秋と春』や『横田裕市さんが語る極夜の魅力』などの記事も参考になるだろう。一生に一度の体験をする時期を、そろそろ決めてもいいかもしれない。