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TOKYO MUSIC BOX #2 ART SPACE BAR BUENA

テキスト:
Kunihiro Miki
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※プレイリストは記事下部
in collaboration with KKBOX 

ART SPACE BAR BUENA

値段:

音量:★★★

照度:★★

出会い:★★★★

ポイント:ライブ、落語寄席、トークショーあり、Wi-Fiあり

定番スポットや老舗バー、注目の新店まで、魅力的なミュージックスポットを、店主、スタッフ、常連客がセレクトしたミュージックプレイリストとともに紹介する新連載企画『TOKYO MUSIC BOX』。

第2回に紹介するのは、スナックが軒を連ねる大久保の雑居ビルの一室に店舗を構えるART SPACE BAR BUENA。飲みながら気軽にアート作品を楽しめるギャラリーである同店は、ノイズやアンビエント、電子音楽からポップス、ジャズまで、ジャンルレスで時代性のある音楽を積極的に取り上げる独創的なミュージックバーでもある。

店長の田中晴久は、UN.a、ハチスノイト、AOR、Hakobuneら、エクスペリメンタルかつポップな注目のアーティストの作品をリリースする新興レーベルPURRE GOOHNのオーナーで、自らもノイズ作品をリリースするアーティストだ。

同店で毎月数本行われるライブイベントでは、海外のノイズやアンビエントの大物アーティストを招聘していることも多く、LAFMS(ロサンゼルス・フリー・ミュージック・ソサエティ)のJoseph Hammeも来日公演の際、演奏している。また、日本での活動も有名なギリシャ人デザイナー、ミハイル・ギニスも、ライブイベントで同店を訪れて以来、刺激的なイベントを求めて度々遊びにくるという。

とはいえ、BAR BUENAは決して敷居の高い店ではない。展示やイベントもジャンルではなく「いかにこの店の空間を面白く使ってくれるか」を基準に決めているという。常連客たちも、特定のジャンルのコミュニティというよりは、バラバラの趣向、職業の人々が集まっている印象だ。バーテンダーのスタッフ(アイドルグループ、おやすみホログラムの八月ちゃんや、画家でミュージシャンのきたしまたくやらも勤務している)も皆若く、あらゆるカルチャーを受け入れる好奇心を持っている。

そうした懐の深さは、同店で行われるイベントにも表れている。アート展示、ライブイベントとともに、レギュラーイベントとして人気を博しているのが『柏枝・可女次・鯉八三人会』、通称『ぶえな寄席』と呼ばれている落語会だ。2015年10月には第8回を数えた同イベントは、気鋭の落語家を間近で楽しめるとあって毎回立ち見が出るほどの人気ぶり。また、同じくレギュラーイベントの『あなたの聴かない世界』は、書評家の永田希と「リアルインダストリアルライター」持田保がホストを務めるトークイベント。毎回、「ニューエイジ」「アートとセラピー」「レイヴカルチャーとサイケデリック」などディープなテーマを設け、伊達伯欣や、DJ YOGURTら、ツボを押さえたゲストが登壇してきた。

そんなBAR BUENAだが、店内BGMは田中のiPodからその時その時の雰囲気で店員が選んでいるという。BGMにはノイズやアンビエントが流れることは少なく、客層によって柔軟に対応できるよう、ジャンルレスにエッジのきいたセレクションとなっている。

田中の選曲によるプレイリスト第5弾のテーマは「holiday」。ブエナ流ブラックミュージックの10曲。ヒップホップとその進化系に位置する楽曲を取り上げている。ニューヨーク気分の休日を過ごせそうだ。

プレイリストリンク 先:KKBOX
【スマートフォン】
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1月13日更新分のプレイリストのテーマは「Dinner」。Alva Notoや、Kyoka、池田亮司といったRaster-Noton勢や、ビョークとMatmosなど、電子音楽の新たな可能性を切り開いているアーティストの楽曲が並ぶ。

12月16日更新分のプレイリストのテーマは「Lunch」。90年代のNYで活動していたSoul CoughingやMorphineといったマニアックでオルタナティブなバンドから、テラ・メロスやバトルスといった2000年代以降のポストハードコアバンドまで、ソリッドすぎるセレクションだ。

11月6日更新分のプレイリストのテーマは「breakfast」。ネオソウルの最新型として話題のHiatus Kaiyoteで幕を明け、MatmosやMax Richter、Ryoji IkedaといったIDMやインダストリアル、ポストクラシカルのアーティスト、さらにはヴァシュティ・バニアンなど時代を超えたセレクション。田中自身、「こんな曲も入ってるのか」と驚いたというBrazzavilleやMika Vainio/Kevin Drumm/Axel Dörner/Lucio Capeceなどのマニアックな楽曲も注目だ。朝食のBGMとしてはいささか胃もたれがしそうな、濃厚なプレイリストに仕上がっている。

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