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Steve NakamuraとNorbert Schoernerによる、現実と虚構が交錯する写真集

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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翻訳 小山瑠美

東京を拠点に活動するアートディレクターでデザイナーのスティーブ・ナカムラ(Steve Nakamura)が、ドイツ出身のフォトグラファーでフィルムメーカーであるノーバート・シェルナー(Norbert Schoerner)と共同で、官能的なフード写真集『Nearly Eternal』を完成させた。2016年にヨーロッパとアメリカで発売予定の同写真集について話してもらった。

フード写真集『Nearly Eternal』のコンセプトを聞かせてください。

スティーブ:食品サンプルを使いながら、現実と虚構の境界線で遊んでいます。

ノーバート:この日本独自のカルチャーを支える職人技から、我々は常にインスパイアされ続けてきました。ディスプレイするために最高に細やかな様式で自然、または「リアル」な物を再現するアイデアは、商業的な観点とクリエイティブな観点と、どちらから見ても素晴らしいです。

スティーブ:フードを特定のセットに配置することで、フードに命を吹き込み、特定のロケーションや時間と何らかの関係性があることを表現しています。

ノーバート:食品サンプルにまつわるプロジェクトを立てる方法、つまり「フェイク」である物を最も自然な方法で撮影する方法を探しました。そして、読者を「何が現実で、何が虚構か?」と疑問を持つ状況まで導くような……。

ーファッションやポップカルチャーのキャンペーンに2人は大きく関わってきていますが、今回はなぜフードに着目したのでしょう。

スティーブ:アートとしての食品サンプルに魅了されたことから、今回のプロジェクトが始まりました。誰もが共感しうる生活の一面における状況を改めて説明しています。フードを静物として撮影することは、写真撮影の基本形です。しかし、普通の物を非現実的に見せることは、それとはアプローチがまったく異なります。

ーユーモアの要素が写真にありますね。写真の意味を考えた読者を笑わせることに価値を感じますか。

スティーブ:いくつかの写真は、そうですね。ひとつひとつにキャラクターを持たせることが重要でした。フードには多くの面があります。それがロケーションを提案することもあるし、また繊細で、豪華で、陽気で、陰鬱です。それぞれの物が異なるかたちで扱われるべきです。

ーフードはどう選びましたか。

ノーバート:フードの幅をできるだけインターナショナルに保つように心掛けました。

ーコンセプトイメージが思い浮かんだ時に、どのようなプロセスで進めたのでしょう。

スティーブ:フードとロケーションのリサーチに、1年以上の時間をかけています。物とロケーションの選定から始め、テストを徹底的に行いましたね。後から現場で生まれた空間も利用して、ほとんどのシーンの脚本を描きました。その結果がさりげなく見えて真実味のあるように仕上げたかったのです。

ーこの写真集は、どのような読者に響くと思いますか。

ノーバート:様々な読者に響くといいなと思っています。写真やアート本が大好きな人から、コンセプチュアルなものに必ずしも興味があるわけではない人まで。

ー好きなフードは?

ノーバート:ビール。

写真集『Nearly Eternal』は、書店クレール・デュ・ルーアン・ブックス(Claire de Rouen Books)の出版社であるチャンス パブリッシング(Chance Publishing)より出版し、現在ロンドンのクレール デュ ルーアン ブックス(Claire de Rouen Books)で発売中。パリのコレット(Colette)やニューヨークのダッシュウッド ブックス(Dashwood Books)でも発売予定。

原文へ

www.stevenakamura.com

www.dayfornight.tv/schoerner

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