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NY地下鉄、2023年までにメトロカード廃止。携帯端末で乗車可能に

テキスト:
Clayton Guse
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ニューヨーク州都市交通局(MTA)が1990年代にメトロカードの運用を開始した時、多くの人が歓迎した。乗客は追加費用を払わずに地下鉄から市バスへの乗り換えができるようになり、7日間や30日間などの乗り放題オプションも選べるようになった。MTAがニューヨーク市全ての地下鉄改札とバスにメトロカードの支払いシステムを導入して以来、既に20年以上がたった。だが今週、MTAは新たな計画を採用する見込みだ。この計画は、磁気ストライプ技術を使用したサービス全てを廃止し、運賃支払いシステムを21世紀仕様に刷新することになるだろう。

10月23日、MTAの経理委員会はCubic Transportation Systems社との53900万ドルの契約を承認した。これは新しい運賃支払いシステムのデザインと設置、試験、実装に関する契約で、対象は市営地下鉄だけでなく、メトロノース鉄道、ロングアイランド鉄道も含む。完成すれば、スマートフォンのApple PayやAndroid Pay、非接触型の銀行カード、またはMTAの新型カードなどを使い、ワンタップで支払いを済ますことができるようになる。計画によれば、Cubic2019年初めまでにスマートフォンと非接触型カード用の支払いシステムの運用を開始する。2020年の秋までには全ての市バスと地下鉄に導入される予定だ。

またMTAは、現在のeTixモバイルアプリを20211月までに新しいものに切り替えることも目指している。新アプリでは、通勤電車やバスを含む全てのMTAの切符をスマートフォン上で購入できるようになる。新アプリ移行後も2年間はメトロカードを使用できるが、順調に進めばニューヨーカーは2023年までにメトロカードに別れを告げることができるはずだ。

新システムは作業の遅れを想定し、5段階に分けて実施される。つまり必ずしも計画が日程通りに進むわけではないということだが、それでもこの新たな契約は、MTAを近代化させるための大きな一歩だと言える。

MTAは確かに賢い取り組みも行ってきました」。シンクタンクのReThink NYCの主任建築士ジム・ヴェンチュリ(Jim Venturi)は、MTAの折りたたみ式座席の試験運用や、貫通扉のデザインなどについてはポジティブに評価するが、一方で新たな運賃支払いシステムの導入に取り組んでこなかった点は疑問視している。「これは既に手をつけておくべきことでした」と彼は言う。「これまでに当然のものとしてやっておくべきだったのに、今からやろうというのですから」。

彼の言うことも一理ある。タップ式の支払いシステムは既にロンドンや香港、シカゴなどの都市で運用されている。

ReThink NYCでは、ニュージャージートランジットとメトロノース、ロングアイランド鉄道を単一のサービスに統合する計画を提案している。ヴェンチュリによれば、新運賃支払いシステムを導入することで新たな興味深い可能性も出てくるという。つまり地下鉄やバスの乗客が追加料金を払わず、ロングアイランド鉄道やメトロノース鉄道などに乗り換えできるようになる可能性だ。これは、鉄道駅には近いが、地下鉄の駅からは遠い地域に住むニューヨーカーにとっては重要なことだ。「この新しいテクノロジーによって、より大きな可能性も実現でき得るのです」と期待を寄せる。

現在、ニューヨーカーたちはメトロカードの廃止の時を指折り数えて待っている。MTAが前回、地下鉄トークンを廃止するのに約10年もかかったのに比べれば、短いものだ。

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