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2017年8月4日(金)から2017年11月5日(日)まで、3年に1度のアートの祭典『ヨコハマトリエンナーレ2017(ヨコトリ)』が開催中だ。艾未未(アイウェイウェイ)はじめ、畠山直哉、マウリツィオ・カテラン(Maurizio Cattelan)、クリスチャン・ヤンコフスキー(Christian Jankowski)、マップオフィス(Map Office)、Don’t Follow the Windなど、国内外から38組のアーティストと1プロジェクトが参加。『島と星座とガラパゴス』をテーマに、新作を発表している。アーティストの数は例年より少ないとはいえ、十分見応えのある展示になっている。満足のいく鑑賞体験ができるよう、『ヨコトリ』に行く前に押さえておきたいポイントを紹介する。
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参加アーティストは38組
前述の通り、今回の参加アーティストは38組と1プロジェクト。世界各国、年齢もバックグラウンドも異なるアーティストたちが、大小様々な作品を展示している。参加数が少ない分、それぞれのアーティストに与えられたスペースは広く、さながら個展の集合体のようだ。実際足を運ぶと、展示されている作品量に驚かされること間違いない。アーティストたちは、今回の『ヨコトリ』のテーマ「島と星座とガラパゴス」のもと、それぞれ新作を発表している。作品に込められたメッセージは歴史、孤独、民族紛争、国家、3.11など、様々だ。
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横浜美術館のロビー左手の階段を上がったスペースには、新疆ウイグル自治区出身のザオ・ザオ(赵赵)の作品『プロジェクト・タクラマカン』がある。世界で2番目に広い砂漠のタクラマカン砂漠に冷蔵庫を運び、ビールを飲むという企画を、巨大な冷蔵庫と、砂漠に電気を運んだ電線(つなげると100キロメートルになるという)を束ねて再現している。ザオの作品の奥には、イスラム教徒とキリスト教徒の衝突を、ガラス製の操り人形を用いた劇で再現した、エジプト出身のワエル・シャウキー(Wael Shawky)の映像作品が展示されている。外観のウェイウェイに始まり、彼と共作を発表してきたザオ、そしてシャウキーの作品を見て「シルクロード」を連想するのは考えすぎかもしれないが、一見バラバラに見える作品も、『ヨコトリ』のテーマや作品のメッセージを探りながら鑑賞すると、新しい発見があるかもしれない。
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3.11をテーマにした作品を発表したアーティストも多かった。東京電力福島第一原子力発電所周辺の帰還困難区域内で開催されている展覧会『Don't Follow the Wind』のサテライト展示として、赤レンガ倉庫1号館に登場した作品は、福島県で暮らす3家族の協力を得て完成した映像作品だ。鑑賞者は液晶画面が組み込まれた装置を装着し、ナレーションを聞きながら3.11後の福島を見ることができる。
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開催場所は3箇所
今回の『ヨコトリ』は横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、そして横浜市開港記念会館の3ヶ所にて開催される。横浜美術館と赤レンガ倉庫間は無料のバスが30分〜1時間ごとに運行しているので、運行表をチェックして行動したい。赤レンガ倉庫1号館から10分ほど歩いたところにある横浜市開港記念会館では、ゴジラをモチーフにした柳幸典による作品が展示されている。カビ臭い地下室で、廃材でできたゴジラが真っ赤な目で鑑賞者をにらみつけてくる、迫力満点の作品だ。残念ながら会場間をつなぐバスは出ていないが、みなとみらい線日本大通り駅の出口1のはす向かいなので、横浜市開港記念会館から鑑賞をスタートするのもいいかもしれない。
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無料の音声ガイドアプリは必須
『ヨコハマトリエンナーレ2017音声ガイド』アプリは、鑑賞する際の必須アイテムだ。作品のガイドや、アーティストのインタビューを聞くことができる。各会場では無料でWi-Fiが使用できるので、アプリをダウンロードしてじっくり鑑賞を楽しみたい。フリーWi-Fiが使用できる場所は以下のとおり。
・横浜美術館(グランドギャラリー、展示室、ショップ、カフェ)
・横浜赤レンガ倉庫1号館(2階・3階)
・横浜市開港記念会館(地下)
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関連イベントも要チェック
象の鼻テラスや黄金町など、横浜エリアに点在する複数のアートヴェニューでも関連プログラムとイベントが展開される。『黄金町バザール2017』と、BankART Studio NYKで開催される『BankART Life Ⅴ-観光』は、『ヨコトリ』のセット券で鑑賞可能だ。また、YCC ヨコハマ創造都市センターでは、同施設が開催しているアートプログラム『YCC Temporary』の第3弾として美術家、鬼頭健吾の展覧会が2017年9月17日(日)まで開催される。2017年10月7日(土)から2017年10月9日(月)にかけて象の鼻テラスを中心に開催される『ヨコハマ・パラトリエンナーレ2017』も必見だ。
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6回目の開催となる『ヨコトリ』だが、タイトルの「島と星座とガラパゴス」が発表されたときは、世界を取り巻く様々な問題や、日本という国、点と線など、様々なことを連想させ、随分広いテーマ設定だなというのが正直な感想だった。しかし、初の試みであるイベントの構想会議の設置や、構想会議メンバーが対話を行う『ヨコハマラウンド』という場を設け、少しずつテーマについて掘り下げていくことで、広すぎるように見えたテーマを多角的に見つめられたように思う。対話の集大成として展示作品群を前にしたとき、ディレクター陣が記者会見で繰り返し述べていた「接続性」と「孤立」の意味が見えた気がした。横浜美術館には『ヨコハマラウンジ』と称し、構想メンバーの発言や、コンセプトをより深く理解できる情報を紹介しているエリアがあるので、ぜひチェックしてほしい。
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