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焼きそばは、誰でも手軽に失敗なく作れ、家庭から、縁日、バーベキュー、海の家など様々なシーンで日本人に愛されてきたが、その手軽さゆえ、料理として軽んじられている存在であることは否めない。「B級グルメ」、「ジャンクフード」と呼ばれる焼きそばを本気で作ったらどうなるか。そんな試みをする店、無添加焼きそば BAR チェローナが2016年5月20日、白金高輪に誕生した。
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昼は焼きそば専門店、夜は鉄板焼きも楽しめるバルとして営業するこの店を手がけるのは、ミート矢澤、ブラッカウズなど、黒毛和牛料理の人気店で知られる飲食店グループ。しかし、この店が目指すのは、肉を主体にしたものではなく、あくまで麺とソースにこだわったシンプルな焼きそばだ。その気合いの現れか昼のメニューは『無添加焼きそば』(普通盛り950円/大盛り1,050円)のみ。
「無添加」という名前からも分かる通り、健康志向の現代に向けて安心安全な食事を提供したいという思いから、使用する食材には徹底的にこだわっている。まず焼きそばの要となる麺。焼きそばの麺といえば油でコーティングされた蒸し麺が一般的だが、チェローナで使用するのはオリジナルの生麺。小麦はすべて国産で、つるっとした食感と弾力を両立させるため、北海道とその他の産地のものをブレンドしている。中太麺だが、焼く前に一度茹でることで、高温の鉄板でかりっと仕上がった表面と内側のモッチリした食感を引き出している。
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特製のソースももちろん完全無添加。リンゴ、玉ねぎ、ニンニクなどの国産野菜で作る濃厚ソースと、鰹、昆布の出汁、鶏ガラスープにトマトの隠し味を加えた醤油ベースのソースをブレンドしており、パンチがありながらもあっさりとしているので最後まで飽きずに食べられるだろう。具材のキャベツは産地を限定せず、その日一番良いものを、豚肉はアボカドを食べて育った千葉県産の『アボカドポーク』、そして上に乗せられる目玉焼きには京都産の『こだわり卵』を使用している。
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焼きそばの名脇役と言えば、真っ赤な紅ショウガだが、この店にその姿はない。代わりとなるのは自家製の甘酢に漬込んだ刻みショウガ。着色料を使用しないためその見た目は、紅ショウガと比べると少々華やかさに欠けるものの、完成した焼きそばにたっぷりと添えられると鉄板の熱で爽やかな香りが立ち、鼻孔から食欲をかき立てる。
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書き上げればきりがないのでこのぐらいにしておくが、食材へのこだわりは魚粉や天かす、油にまで及ぶ。昼のメニューは、『無添加焼きそば』のみだが、トッピングとして黒毛和牛の牛スジ、あおさやもやしなども用意されている。
そして、それらすべての素材が焼きそばとしてひとつになっていく一部始終は鉄板の目の前の特等席で見届けることができる。鉄板の熱を感じながら、ジュージューと上がる音に耳を傾け料理の完成を待つのは、鉄板焼きの醍醐味だ。鉄板はキッチン側が調理スペース、客席側が保温スペースになっているので、最後まで焦がすことなく温かいまま焼きそばが食べられる。
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『無添加焼きそば(九条葱トッピング)』
卓上にはハバネロ、ガーリック、ダークチリなど十数種のスパイスをブレンドした特製辛味ソースが置かれている。辛いものが好きならば、途中で足してみよう。
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特製の辛味ソースはかなり辛いのでかけ過ぎ注意
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バル形式での営業となる夜は、小さなポーションの料理を豊富に揃えるほか、鉄板焼きメニューも用意。ミート矢澤でもお馴染みの黒毛和牛は、その日おすすめの部位をグリルで楽しめる(150g/2,592円~)。『フルーツトマトの薫製モッツアレラチーズのサラダ』(1,296円)は、フルーティーなトマトと、まるで肉のような存在感のスモーキーなモッツアレラチーズの組み合わせで、一般的なカプレーゼとは異なる濃厚な仕上がりに。『旬の野菜のカポナータ』(626円)は、ナス、ズッキーニ、セロリ、パプリカ、松の実、オリーブでシンプルだが、クセになる味わい。そのほかにも、『牛タンのカツレツ~サルサベルデ~』、『黒毛和牛のミートボール』など気になるメニューが並ぶ。温かい料理は耐熱皿に盛られ鉄板の上に提供されるので、ワイン片手にゆっくり食べても冷める心配なし。もちろん夜も焼きそばが食べられるのでシメの麺として注文するのも良いだろう。
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旬の野菜のカポナータ
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季節の食材を使ったものも多いので、メニューは黒板で確認しよう
グルメ業界では2016年にブーム到来とも囁かれる焼きそば。流行るか否かはさておき、まずは最新焼きそば事情を知るために足を運んでみてはいかがだろうか。
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