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現代割烹や炭火焼きバルなどが入居する新たな食のスポットが六本木に誕生

テキスト:
Shiori Kotaki
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2017年9月1日、六本木交差点近くにロッポンギ キッチンという新たな食のスポットが誕生した。1つのビルに新感覚の和食が楽しめる現代割烹、ソムリエのいるスタンディングバー、飛騨牛の炭火焼きを楽しめるバルの3軒が入居するものだ。取材した2軒を中心に、メニュー写真も含めながら紹介する。

まずは、地下1階に店を構える現代割烹テラを紹介しよう。同店は、シドニーにある日本料理店で修行をした寺本辰也がシェフを務める割烹だ。提供されるのはコースメニューのみで、8,000円、1万円、1万2,000円のコースをメインに、ベジタリアンコース(事前予約のみ)も用意されている。筆者は、1万円のコースで提供される料理を何品か試食したのだが、一番印象的だったのは先付けとして提供される『比内地鶏の黄金のたまご』だ。

『比内地鶏の黄金のたまご』は寺本がオーストラリア時代から作り続けているメニュー

温泉卵とウニ、ユズを卵の殻に入れ、干ししいたけの餡(あん)をかけた『比内地鶏の黄金のたまご』は、金箔もあしらわれ目にも美しい一品。濃厚なウニも惜しみなく入っており、このクオリティでコースがスタートすると「この後はどんな料理が出てくるのだろう」と気持ちを高めずにはいられない。まずは半分、卵の殻に入った料理をそのまま味わおう。残り半分は、下に敷かれている素揚げされたカダイフ、シソの芽、木の芽にかけ、混ぜて食べるのがおすすめだ。

『キャビアの冷たいお蕎麦 だしのフォームをちりばめて』

もうひとつ印象に残ったのが『キャビアの冷たいお蕎麦 だしのフォームをちりばめて』。出汁は、一度ゼリー状に固めたものをパティシエがホイップクリームでデコレーションするように、泡状で絞り出して蕎麦にかけられている。刻まれたエシャロットも良いアクセントだ。

寺本辰也

食事後に、なぜ日本ではなくオーストラリアで修行を積んだのか寺本に尋ねてみた。すると「話すと長くなるんですけどね」と笑みを浮かべながら次のように話してくれた。「本当はニューヨークのジャン・ジョルジュ(Jean Georges)に就職が決まっていたんですけど、9.11(アメリカ同時多発テロ事件)で行けなくなっちゃったんですよ。その後、旅行でオーストラリアに行ったときにシドニーのレストランがアメリカよりも洗練されていると衝撃を受けました。シドニーで働きたいと思い吉井(YOSHII)に履歴書を出したところ、皿洗いだったら良いよって採用してもらったんです。半年後には料理長になって、そこから10年間料理長を務めました」。

料理が乗せられた皿も含め、寺本の作り出す料理はすべてが美しい。美味しさだけでなく目でも楽しめるので、コースの最初から最後まで大満足の時間を過ごせるだろう。

続いては、2階のグリル&ワイン ラポを紹介する。同店では飛騨牛を一頭買いしているため、フィレやリブロース、イチボ、ミスジなど、好みの部位を1グラム単位で注文し、炭火焼で楽しむことができるのだ。赤ワインベースのソースや、角切りの野菜が入ったソースなど、3種類のソースも一緒に運ばれてくるので、味を変えながら味わえるのも嬉しい。

メインは飛騨牛であるものの、シーフード料理も充実。炭火で焼かれたシーフードはまた格別だ。アラカルトメニューは約30種類を用意。冷たいアラカルトに関しては全メニューを銀のプレートに乗せて席まで運んでくれ、実際に見て注文をすることができる。提供される料理を見て注文できるのは嬉しい限りだが、いろいろな料理に目移りして注文のし過ぎには注意である。 

1階のバブルスタンド ベベルは、今回残念ながら取材できなかった。スタンディングバーでありながらソムリエが常駐しているので、気軽に自分好みの酒に出会えそうだ。いずれの店も六本木らしく28時まで営業。六本木の新たな食のスポットに集いたい。

ロッポンギ キッチンの詳しい情報はこちら

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