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店内に醸造所を設け自家製ビールを提供するブルワリーパブは都内にも増えてきたが、2014年9月、練馬区大泉学園にオープンした東京ワイナリーは、ワインの製造から販売までを店内で行う東京初のワイナリーだ。
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西武池袋線『大泉学園』駅から徒歩10分。23区内とは思えないほどのどかな雰囲気の住宅街の一角に同店はある。
同店で製造から販売までを1人で切り盛りするのが、店主の越後屋美和である。以前は野菜の仲卸業に携わっていた彼女は、東京の農家との出会いからワイナリー開業のアイデアを思いついた。
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「もともとお酒が好きで。最近はクラフトビールがブームになっているという状況があるけれど、原材料まで東京産のものはさすがにない。東京の農家が作る美味しい作物を使ってなにか作れないかと考えて、思いついたのがワインだったんです」
地産地消という言葉があるが、それを東京に当てはめた「都産都消」が、彼女の中でキーワードのひとつとしてあるという。
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2014年8月に果実酒醸造免許を取得し、現在は4種類のワインを醸造中だ。
東京都の特産品で高級品種として人気の品種『高尾』を使用した赤ワインや、山形産デラウェアを使った赤、白各種と、長野産シャルドネのワインを揃える。今年12月までにはすべての品種をびん詰めし、販売を開始する予定だ。
現在、4種類すべてが破砕までの行程を終え、発酵や熟成の段階に入っている。
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芳醇な香りが漂うタンク庫。全体で約5千リットルを製造している。熟成中の『シャルドネ』と『高尾』を試飲させてもらった。
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まだ濁りが残る『シャルドネ』。りんごのようなさわやかな香りが広がり、フレッシュな飲み口だ。
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『高尾』はロゼに近い状態。ぶどう果汁の味がしっかりと感じられ、ほどよい甘さで飲みやすい。
日々少しずつ一人前になっていくワインたちについて、我が子のように語る越後屋。製造を一から学び、開業に際しては税務署への申請に骨を折ったりと苦労も多かっただけに、可愛さもひとしおだろう。
「製造だけでなく販売までを行うのは大変なのでは」という質問に対しては、「ワインを通じてお客さんと交流することが大切だと考えているので、販売までやりたかったんです。いずれは都内の農家から仕入れた野菜を使ったワインに合う料理も一緒に提供していきたい」と語ってくれた。
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日本ではここ数年、低価格の輸入ワインの拡大や日常的なワイン飲用文化の浸透を背景に、第7次ワインブームと呼ばれるほどにワインの消費が増えている。国税庁が発表した直近の日本国内のワイン消費量(2012年4月~2013年3月の1年間の消費数量実績)は、空前のワインブームが起こった1998年を超え過去最高を記録した。
チリ産ワインなど手頃で美味しい輸入ワインに注目が集まる一方で、日本産のぶどうを使用した国産ワインも人気を集めており、国内外で認知度を高めている。
そんな中誕生した東京生まれ東京育ちのワイン。目と鼻の先には23区唯一の牧場、小泉牧場がある同店で、「農」を身近に感じながらお気に入りのワインを探してみてはいかがだろうか。
現在販売しているのは白ワイン1種類で、今年12月までに新たに4種類を販売予定。店内見学も可能だ。各種、ボトルで2,000円~3,000円ほどの価格での販売を検討している。
東京ワイナリーの詳しい情報はこちら
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