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大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎の青空舞踊公演が2017年10月9日、新宿の三井ビル55広場であり、1000人近い観衆が「伝説の大道芸人」の踊りに酔いしれた。
同公演は、尼ヶ崎が毎年秋に行う恒例行事。来年で大道芸人として50周年を迎えるとあって、例年以上に大勢の観客が訪れた。
超満員となった会場
現在87歳の尼ヶ崎は、38歳で銀座の街頭で舞踊を披露して以来、投げ銭だけで生計を立ててきた。年齢を感じさせない激しい踊りで健在をアピールしてきた尼ヶ崎だったが、昨年、背骨が変形していく難病の脊柱菅狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)を発症。パーキンソン病を患っていることも分かり、薬の服用とリハビリを続けながら、今年の公演にこぎつけた。
この日は、約1時間の公演で4つの演目を披露。『よされ節』では、赤い花を一輪くわえながら、観客を誘ってコミカルに踊り、会場を盛り上げた。十八番の『念仏じょんがら』では、しっかりとした足取りで駆け回ったり、地べたをのたうちまわったりし、情感たっぷりに舞を披露。クライマックスでバケツの水を豪快にかぶると、観衆から「いいぞ」「ギリヤーク!」などの掛け声があがり、一斉に投げ銭が飛んだ。
多彩な動きと表情で踊るギリヤーク尼ヶ崎
演目が終わると、尼ヶ崎は「こんなに大勢の人が集まったことはなかった」と感激しきり。最後は人々に対し、「みんなでお互いに気遣い、優しい暮らしや社会にしてほしい」と呼びかけた。
公演後は、観衆が握手や記念撮影を求めて殺到、中には涙を流しながら尼ヶ崎に感謝の声をかける人もいた。埼玉県から訪れた43歳の自営業男性は「あの年齢で大道芸をやっているだけでもすごい。後継者のような存在が出てきてほしい」と話していた。
公演後、尼ヶ崎に対し握手や記念撮影を求める大勢の人々