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タイムアウト東京マガジンにて連載中のローカルレジェンド。この連載では、デコラティブな帽子を被ったアウトサイダーアーティスト「帽子おじさん」や、渋谷の絶滅危惧種「ガングロギャル」など東京の街にいるレジェンドたちを紹介している。今回は、レストランの黒板に美しいメニューを描いているチョークボーイに話を聞いてきた。
チョークボーイが黒板アーティストになったきっかけは、ウェイターとして働いていたときのことだ。彼の働いていたカフェでは、スタッフが交代で黒板にメニューを描いていた。時間は30分与えられ、ほかのスタッフは10分以内に簡単に仕上げることもあったが、チョークボーイは与えられた時間を活用し、ビールやワインのラベルの書体を参考に美しいメニューを描いた。その素晴らしいメニューが多くの客の目に留まり、チョークボーイは、カフェや古着屋などの黒板アートを手がけるようになった。
現在チョークボーイは、ワークショップや本(『すばらしき手描きの世界』)を通して自身の技術を共有するほか、食事と料理の音を録音して音楽にする「EATBEAT!」という活動も行っている。インクやペンキも巧みに使いこなすチョークボーイだが、チョークが彼の主要画材だ。
「チョークの独特な部分が好きです。チョークは、濃く書くことも薄く書くこともでき、消せますが、完全に消えることはなく白い染みが残ります。欠点に聞こえるかもしれませんが、これは他の画材にない魅力です」と語っていた。
今回、Bird 代官山カフェにある新作のそばで話を聞いた。新作は、巨大な鳥をモチーフにしたもので、仕上げるのに2時間かかったという。チョークボーイはこの仕事を初めて5年たつが、今だに時間をかけることを惜しんでいないのだ。