Moon Art Night Shimokitazawa
Photo: Odakyu Electric Railway | Moon Art Night Shimokitazawa, featuring Elysian Arcs (2023) by Atelier Sisu
Photo: Odakyu Electric Railway

東京、9月に開催されるアートフェスティバル4選

定番の六本木アートナイトから初開催のTOKYO ARTSCAPESまで

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ここでは、2024年9月に都内で開催されるアートフェスティバルを紹介。今年13回目を迎える一夜限りのアートの祭典「六本木アートナイト」や、「無印良品 銀座」を中心に暮らしとアートを考える「TOKYO ARTSCAPES」など、この秋ぜひ訪れたいフェスティバルををセレクトした。アート巡りと街歩きを楽しむ秋を過ごしてみては。

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もっとアート巡りをするなら……

  • アート
  • 清澄

「東京都現代美術館」で、世界的な文化アイコンであり、アーティスト、詩人であるパティ・スミス(Patti Smith)と、ベルリンを拠点に活動する現代音響芸術集団のサウンドウォーク・コレクティヴ(Soundwalk Collective)による最新プロジェクト「コレスポンデンス」が公開される。

本作は、世界のさまざまな場所でフィールドレコーディングされた「音の記憶」、パティが書き下ろした詩、そしてそれらを増幅させる映像が交差するオーディオビジュアルインスタレーションだ。8つの映像が織り成す複数の物語が、原発事故や森林火災、動物の大量絶滅といったテーマを探求するとともに、芸術家や革命家を参照しながら、アーティストの役割や人間の本質を問いかける。



世界各国を巡回する「コレスポンデンス」は、開催地ごとに新たな作品を制作し、サイトスペシフィックな展示を行う。これまでジョージア、コロンビア、メキシコ、アメリカなどで滞在制作を行い、その土地の歴史や文化的風景と結びついた作品を通じて、観客との間に多層的な応答関係を築いてきた。

今回、パティとサウンドウォーク・コレクティヴは、日本の協力者とともに滞在制作をし、本展で新作として発表。会期中にはアーティストトークも実施予定だ。詳細は、Instagram公式ウェブサイトで順次公開する。

国内の美術館として初となる、彼らのオーディオビジュアル作品を見逃さないように。

  • アート
  • 丸の内

「東京ステーションギャラリー」で、フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(Tapio Wirkkala、1915〜1985年)を紹介する日本初の大規模個展が開催。プロダクト、ガラスや木による彫刻、写真など約300点が集結する本展は、プロダクトデザイナーとして、また彫刻家・造形作家としてのヴィルカラの本質に迫る。

1940年代後半から1950年代にかけ、イッタラ社のデザインコンペの優勝や「ミラノ・トリエンナーレ」の3度の入賞によって、一気に脚光を浴びたヴィルカラ。フィンランド最北の地域であるラップランドの静寂を愛し、自然に宿る生命力と躍動にインスピレーションを受けた。

その活動は、「ウルティマ・ツーレ」(「世界の果て」の意)をはじめとするガラスの名品や、陶磁器、カトラリー、家具などのプロダクト、木のオブジェ、さらにはランドスケープアートまでと広範囲にわたる。

ヴィルカラの世界に浸れる貴重な機会を見逃さないでほしい。

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  • アート
  • 上野

「東京都国立博物館」で、総勢85人のアーティストたちの木版画を通じて、現代から未来に続く伝統の可能性を追求する「浮世絵現代」が開催。伝統木版画の表現に魅了されたさまざまなジャンルのアーティスト 、デザイナー、クリエーターたちが、現代の絵師となり、アダチ版画研究所の彫師・摺師(すりし)たちと協働して制作した「現代の浮世絵」が堪能できる。

日本の木版画の技術は、江戸時代に独自に発展し、浮世絵という力強く華やかな芸術を生み出した。「浮世」という言葉には「当世風の」という意味があり、浮世絵版画はまさにその時代と社会を色鮮やかに映し出すメディアであった。 

高度な木版画の技術は、途切れることなく、現代まで職人たちに受け継がれている。伝統技術は、同時代の人々の心を捉える作品を生み出し続けることで、さらに次代へと継承されていくだろう。

本展の参加作家は、水木しげる、安野モヨコ、石ノ森章太郎粟津潔、佐藤晃一、田中一光、和田誠、草間彌生、横尾忠則、田名網敬一、加藤泉、塩田千春、名和晃平、李禹煥、福田美蘭といった、名だたるアーティストやクリエーターが名を連ねる。

唯一無二の現代の浮世絵世界を、心ゆくまで楽しんでほしい。

  • アート
  • 虎ノ門

虎ノ門ヒルズの「トウキョウ ノード(TOKYO NODE)」で、デザインを体感する展覧会「デザインあ展neo」が開催。デザインについてさまざまな思考・発見を楽しんでもらう展示を行う。

「デザインあ展neo」は、NHKの「Eテレ」で放送中の番組「デザインあneo」のコンセプトを、体験の場へと広げた展覧会だ。「みる(観察)」「かんがえる(考察)」「つくる・あそぶ(体験)」のステップでデザインを体感していく作品や、360度のスクリーンに囲まれて映像と音楽を身体で感じる作品などが展開する。

また、約35点の新作が公開され、番組でおなじみのコーナーも登場。さらに、会場の特徴的なギャラリー空間を生かした展示も構成される。

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  • アート
  • 立川

立川の「プレイ ミュージアム(PLAY! MUSEUM)」で、「国⽴科学博物館」と初のコラボレーションとなる、動物をテーマにした展覧会「どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?」が開かれる。

国⽴科学博物館は2021年、所蔵する膨⼤な標本資料を活⽤し、哺乳類と⼈間との関係を考える巡回展「WHO ARE WE 観察と発⾒の⽣物学」を制作。展覧会が全国各地を巡回する際に展開した美しい展⽰キットは、⼤きな話題を集めた。

本展では、国⽴科学博物館の巡回展キットを使い、貴重な資料や世界屈指の動物標本コレクションを展⽰。さらに、「笑顔の森」「模様の惑星」「しっぽはすごい」といった5つのテーマで、体験型のインスタレーションを展開する。

また、⼤曽根俊輔、瀬⼾優、名和晃平、ミロコマチコら9⼈のアーティストが制作した作品群が⼀堂に介する空間「ユートピア」などの独⾃企画を加え、「私たちは誰なのか」「どこに向かうのか」を問いかける。

積み上げられた研究成果を展⽰する国⽴科学博物館と、表現を楽しむことをコンセプトにした同館の特性を掛け合わせた、これまでにない展覧会。動物の不思議に触れ、驚き、目を輝かせてほしい。

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