近年、ますます多くの新しい才能が世に出ているジャズボーカル界隈(かいわい)。子役としてミュージカル『ライオンキング』のヤングナラ役、『ピーターパン』のタイガーリリー役を演じた経歴を持ちながら、現在はジャズシンガーとしても活動しているEmaはその一人だ。
その語りかけるような歌い方は、技巧的ではない部分で耳に届く。もともとジャズのスタンダードソングの多くがブロードウェイのミュージカル曲だった。自身のバックボーンに裏打ちされたボーカルは意識されづにくい、名曲たちの歴史や原点を思い出させてくれる。
この日の公演は、ギタリスト・井上銘とのデュオ編成。Emaの微細な声の成分にまで耳を澄ませて聴いてもらいたい。きっと井上も自身のプロジェクト・STEREO CHAMPで見せるパワフルさよりも、歌に寄り添うようなトーンを奏でてくれるだろう。その調和がこだわりのジャズライブを毎晩届け続ける「六本木アルフィー」でどう響くのか楽しみにしてほしい。
※19時15分~20時45分/料金は5,500円