「第80回ヴェネチア国際映画祭」で賞を受賞した最新作『悪は存在しない』など、カンヌ・ベルリンの三大映画祭を制覇した、今一番注目されている映画監督の一人である濱口竜介。彼の初となる著書『他なる映画と』の刊行を記念して、「濱口竜介監督特集上映《映画と、からだと、あと何か》」を全国のミニシアターで順次開催中している。
過去にも濱口の作品が特集上映されることはあったが、濱口が学生時代に制作した8mmフィルム作品の『何食わぬ顔』に加え、人が映らない2分のショートフィルム『Walden』、東京藝大大学院卒業制作の『PASSION』など、20年以上におよぶ作品からえりすぐりの16作品が一挙に上映されるのはこれが初めてだ。
もちろん濱口を語る上では欠かせない、カンヌ国際映画祭で日本映画として史上初の脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』や、初の短編映画の『偶然と想像』も上映を予定している。
たわいなく、それでいて巧妙な会話劇の中に、濱口の描く「何か」が常に潜んでいる。ここに至るまでの軌跡を、緻密に描かれた心情描写の連続を、ぜひこの機会に味わってほしい。
東京では、下北沢の駅前シネマ「ケーツー」で2024年9月6日(金)から公開される。
【上映作品】
・『何食わぬ顔(long version)』『PASSION』『永遠に君を愛す』『THE DEPTHS』『親密さ』『なみのおと』『なみのこえ 新地町』『なみのこえ 気仙沼』『うたうひと』『不気味なものの肌に触れる』『ハッピーアワー』『天国はまだ遠い』『寝ても覚めても』『偶然と想像』『ドライブ・マイ・カー』『Walden』
※料金は1,800円、学生1,500円、60歳以上1,200円、高校生以下1,000円