「創作カレー ツキノワ」の店主に誘われ、大阪スパイスカレーの世界へ入ったという店主。バンドとカレー店の二足のわらじを履きながら同店で3年間修行し、2022年から南天満で「和出汁咖哩 あきない」を営む。メニューの軸は、ツキノワ時代に習っただしベースのカレー。だしはカツオ、コンブ、シイタケ、煮干しで取り、カレーの種類に応じて味噌やココナツミルクなどで、コクやうまみを加えている。
定番は、「あきない山椒キーマ」と「あきないチキンカレー」(各950円、税込み)。あきない山椒キーマは、元々和を感じるカレーにさらに和のスパイスで爽やかな辛みを加えることで、「和出汁咖哩」の深化を試みている一皿といえる。あきないチキンカレーは、鳥もも肉をしっかりとスパイスに漬け込み風味を付ける。カレー自体はサラッとした食感であるが、全体としては食べ応えは十分だ。
ごはんは、日本米やバスマティライスなどから選べる。うれしいことに、全てのカレーには4種の副菜が乗ってくるが、「スパイス煮たまご」や「青唐のアチャール」などのオプションでトッピングを追加してもいいだろう。
店主は今もバンドも行い、自らのイベントも主催する。コロナ禍以前は、大阪・梅田界隈(かいわい)のライブハウスを会場に、複数のバンドとカレー店をフィーチャーした「GROOVY ROOMS」が恒例だった。今後の開催も楽しみに待ちたい。