この荒木町の小さな料亭は、海鮮好きなら必ず巡礼に訪れたい店だ。何ヶ月も前から予約を取らないと入れないほど人気なのは、完璧を追求するあまり週に100時間以上も働く店主が、蟹と海老に魔法をかけるからだ。刺身で出される山口県産の海老はとてつもなく美味しい。タコの刺身とわさびと一緒に出されるが、ぎりぎりまで生かされていたため、陶器の皿の上で半透明に光っている。柑橘類と香り高い昆布出汁で味を引き出した蟹クリームコロッケも、同じく繊細でたいへん味わい深い。秋の一押しは、きのこ、ネギ、新鮮な九州産の海老を使った栄養たっぷりの炊き込みご飯だ。アラカルトメニューはなく、デザートを含め10皿で構成された季節ごとのコースのみを一人16,500円で提供する。内装に関してはあまり特徴がなく、茶系とベージュでまとめられたシンプルな店内は照明も暗めだが、そんなことは大した問題ではない。客は料理を求めてこの店に来るのであり、その期待はまず裏切られないからだ。
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