※2024年1月16日オープン
32歳から料理の世界に入り、タイカレーの料理人から寿司職人へと進んだ異色の料理人、菅正博による一風変わった店が「鮨 すがひさ」だ。
江戸前寿司とタイ料理を掛け合わせた独創的な寿司が味わえる同店は、神奈川県川崎市溝の口の神社境内でその産声を上げた。当時は伝統の江戸前寿司を真っ直ぐに提供していたが、ある日客からの冗談を受け入れる形でタイ料理を合わせた別名「変タイ鮨」を期間限定で提供したという。いつしか「変タイ鮨」への要望が強まり、このスタイルが主となったのだ。
ランチは「エスニックちらし寿司」(1,650円、以下全て税込み)のみ。新鮮な魚介をナンプラーとライムでマリネし、卵にもナンプラーとみりんで味付けをしている。旬の食材や素材にこだわる伝統にならいつつも、タイ料理の要素を盛り込んだバラエティ豊かなランチメニューは、手頃価格なのでぜひ一度体験してみてほしい。
ディナーは完全予約制の「おまかせコース」(2万3,000円)を提供。おつまみ4品、握り11〜12貫、締めの椀が含まれる。特に注目の握り「〆鯖の生春巻き」は、本来の魚で米を包む発想を逆転させ、ライスペーパーで鯖を包む斬新なアイデアだ。さらに、見た目は「車海老」の握りは、味はトムヤムクンをイメージしているなど、目から鱗(うろこ)の新しいアプローチの数々を楽しんでほしい。
「外国出身の人に新しい鮨の可能性を体感してほしい」と菅は語る。寿司はもっと自由でいいのかもしれない。そのように思わせてくれる寿司屋が誕生した。