ニューヨーク発祥のオールビーガンバーガー店。2021年10月に原宿から下北沢へ拠点を移した。オーナーシェフであるブルックス・ヘッドリーは、パンクロックドラマーとしてのキャリアを持ちながら、ミシュランスターのイタリア料理店、デル・ポストでパティシエを務め、レストラン界のオスカーとも言われる「ジェームズ・ビアード賞」を受賞した異色の実力者である。
ヘッドリーが作るハンバーガーは、今までのビーガンメニューの概念を覆すジャンクな味わいが魅力だ。 同店は、壁一面のスピーカー、ドラムセットのひとつ、タムでできた看板、バスケットボールで作られた椅子など、遊び心にあふれた内装が目をひく。手がけたのはデザイナー集団の「GELCHOP」だ。
バーガーのおすすめは「TFT(Tokyo Fried Tofu)」(1,000円)。コールスローサラダと豆腐のパティーがバンズに挟まれている。バンズはもちろん卵、牛乳を使っていない。400円追加すれば、ドリンクとポテトが付く。
仕込みに5日間を要するという豆腐のパティは、ほのかに香るマリネや和風だしのような味わいが絶妙。ぜひ試してみてほしい。外はカリッとジューシーだが、中はふっくらとした食感もたまらない。植物油を使うことで油脂が冷えて固まらず味が劣化しないので、出来たてはもちろん、冷めた後も驚くほどおいしい。
ホームメイドのジェラートも併せて食べてほしい。季節に合わせた新鮮なフルーツを使用しており、メニューは都度変わる。取材時(6月)はチョコレート、チョコチップクッキー、チージーオレンジの3つ(3スクープ700円)。これらの濃厚な味わいは、ビーガンフードであることをつい忘れさせる。