梅田から一駅隣の中津では、昭和の風景がそのまま残ったような中津商店街を筆頭に、ここ最近立ち飲み屋など若い世代による新店が次々とオープンしている。スパイスカレーの店「SOMA」は、そんな中津で、2012年に創業した。
店主の和泉希洋志は音楽アーティストとして活動してきたが、2011年の東日本大震災を機に「SOMA」を開店。「社会と接触できるような場所を作りたかった」と語る。店内にはモジュラーシンセが置かれ、植物が持つ微妙な電気を拾って音を奏でるライブ演奏が繰り広げられる。
SOMAのスタイルは「チキンキーマ」に、「お肉のカレー(5種)」「野菜カレー」「トマトカレー」の中から2種を合わせるスタイル(1,200円、税込み)。カレーは鶏肉でとっただしと約30種のスパイスとともに手がけたベースに、それぞれ注文ごとに調理した具材が合わさっていく。
「カレーも作品の一つ。それが人の体に入り生命を作っていくということは、神聖な行為だと感じます。だからこそ素材もシンプルに」と、蒸留していないミネラルたっぷりの塩や種子島のきび糖を選ぶ。
チキンキーマに合わせるおすすめの組み合わせは「お肉のカレー」の1種「花椒豆腐」と「トマトカレー」。花椒豆腐は、ピリッとした山椒が豆腐の上にかかり、カルダモンがきいた華やかなカレーと合わさる刺激体験がいい。思わず「これぞスパイスカレー」と感嘆してしまう。
添えられたカボチャやココナツのサンボーラ、アチャールは、カレーと自分好みに混ぜ合わせよう。その時限りの「作品」を、体の奥底から味わってほしい。