大阪中央卸売市場に拠点を置く、1910年創業の鮮魚卸業「播芳」が直営する食堂。いわく「日本人が『魚離れ』しているといわれて久しい。日本には世界でも類稀な豊富な魚種を誇り、豊かな食文化を育んできました。日本で捕れた魚の魅力を知り、最も身近に感じてもらえる場所を提供したい」と、市場からも近く、電車移動からのアクセスもいい西九条駅の高架下に同店をオープンした。
「世代を問わず入りやすくしたくて、ファミリーレストランをイメージしました」という店内は、明るく飾らない雰囲気。ランチタイムは旬の鮮魚10種以上を豪快に盛りつけた「市場丼(松)」(1,350円、税込み)がメインで、ディナータイムは刺し身や寿司、魚介の一品料理など居酒屋としても楽しめる。
「自分たちは料理人ではないけれど、魚という素材を扱うプロとして目利きは誰にも負けない自負があります。産地やブランド名にこだわるのではなく、あくまで『今日、全国で揚がったおいしいものを』ということを大切に、日替わりでおすすめの鮮魚をピックアップしています」と、五代目社長は話す。
旬のおいしい魚にこだわるため、固定メニューはない。オーナー自らが市場の仕入れを見て、毎日メニュー表を書き換え、海鮮丼に使われるネタもその時々で変化する。時には有名料亭に卸される高級魚や、レアな魚が登場することもあるが、卸だからこそのリーズナブルな価格帯で味わえるのがうれしい。