「サントリー山崎蒸溜所」近くにあるうどんの名店。谷崎潤一郎の小説「蘆刈」に登場する店としても広く知られている。同店の特徴は、大阪府で唯一「名水百選」に選ばれた「離宮の水」を用いてだし汁をとっていることだ。店主が毎朝「水無瀬神宮」を訪れ、水をくんできているという。
ぜひ味わってほしいメニューは、「離宮の水ブランド」にも認定されている「京のこだわり白みそと生麩のつけ麺」。カツオやサバ、ウルメイワシなどでとっただしに白みそを溶いたつけ汁は、柔らかく上品な味わい。トッピングされたユズが爽やかなアクセントとなり、最後まですっきりと味わえる一品だ。
また、つけ汁のとろっとした食感を出しているのは、つぶしたジャガイモ。「和」を強く感じる素材を用いつつも、ポタージュのような「洋」のエッセンスも取り入れた、新感覚なつけ麺である。
「天ざるうどん」や「とろろ温玉ぶっかけ」といった定番メニューも多く揃えているが、「牛すじ坦々麺」や「丹波産美肌豚の炙りカレーうどん」「すっぱ辛つけ麺」など、変わり種メニューも積極的に開発している同店。長く続く名店でありながら、常に進化をやめないという点も「かぎ卯」の魅力といえるだろう。