軽井沢から15分ほど西に車で向かったところにあるイタリアン「飯箸邸」。ここは、坂倉準三が等々力に建てた名建築が移築されたもので、当初は「ドメイヌ ドゥ ミクニ」という三國清三によるフレンチが入居していたが、2023年惜しまれれつつも閉店。その跡地にオープンした。
オーナーの宮部拓也は、代々木の「レガーロ(Regalo)」などでサービスマンとしての経験を積んだ後、独立を検討していたタイミングで同物件にめぐり逢い、開業を決めたという。
外の森の景色が楽しめる個室も用意。家具も坂倉準三がデザインしたものがそのまま使われており、その柔らかなテイストは後から移築したとは思えないほど、木々の中に馴染んでいる。
シェフのいちおしは「金目鯛のアクアパッツア」(3,800円、税込み)。パリッとした皮目、そして身とだしがたっぷり入ったスープのマリアージュに、思わず舌鼓を打つだろう。
コースは1万1,000円で、アラカルトでの注文もできる。昼はパスタメインで楽しむのもいいだろう。空間や環境も素晴らしいが、何より料理のセンスが抜群である。名建築の中で味わう豊かな食のひとときを堪能してみては。