これは現実か、はたまた幻想か。その境界を曖昧に、かつ混沌(こんとん)とした空間を造り上げているのが、高円寺にあるカフェ「エセルの中庭」だ。店内は趣あるオブジェや植物にあふれており、まるでヨーロッパの古い屋敷の庭に迷い込んでしまったような不思議な気分になるだろう。
コンセプトは、店主の渡邊太紀が創作した戦後のイギリスで暮らす少女がテーマの物語「中庭のエセル」である。
ドリンクやスイーツメニューも、物語になぞらえたものが用意されている。特に人気があるのが鮮やかな赤色をたたえた「毒林檎の紅茶」。建物の2階には、会話禁止の静寂カフェ「アール座読書館」もあるので、その日の気分で使い分けるのもいいだろう。