両国橋のすぐ近く、個人商店や小さな問屋が立ち並ぶ東日本橋に店を構える江戸政は、昔から近隣の住人に愛される小さな焼き鳥店。12人ほどでいっぱいになってしまう小体な店だが、のれんをくぐってすぐ手前のカウンターは、かつて初代が屋台を営んでいた頃のものを使っていたり、壁にはこの店を愛する力士たちの手形が飾られていたりと、店内には風情がある。
飲み物はキャッシュオンで、ビール、冷酒、ウイスキー(水割り)とソフトドリンクなどを提供。名物の「たたき」は絶品で、生か焼きを選ぶことができる。丁寧にたたいた鶏肉を団子状に丸め、上からタレをかけたたたきは、ねっとりとした食感が特徴だ。かむ度に肉の味とたれが混ざり合い、口中に幸せが広がるというオツな味わい。ほんの少しワサビを添えるのを忘れずに。
基本的にセット(レバー、ハート、焼き鳥、ピーマン肉詰めなど)が中心だが、じっくり時間をかけて焼き上げる「皮」や、ハツもとの部位を使った「ふじ」なども非常においしい。焼き鳥と酒でほろ酔いになった後、酔い覚ましに柳橋界隈(かいわい)を散策すれば、下町情緒を満喫できるだろう。