根津にある1951(昭和26)年から親しまれていた銭湯、宮の湯跡の一角で、本格的なコーヒーを提供しているのがカフェアンドモア ミヤノユ(CAFE&MORE MIYANO-YU)だ。客席には畳が敷かれており、長いテーブル席は階下に足を投げ出して座ることもできる。下をのぞくとその高さに少し驚くが、体に負担がなくくつろげると好評だ。
地下には銭湯時代にボイラー室として使われていた小部屋があり、そこでコーヒーを飲むことも可能。まるで廃虚のような空間が非日常的で面白い。
一番人気メニューの『フラットホワイト』(600円)は、コーヒーのボディー感をしっかりと感じる上、ミルクの泡がクリーミーで飲み心地がいい。
店長の大里恵未は、エスプレッソの味に厳しい海外観光客が数多く来店する浅草のカフェ「センシングタッチオブアース」で腕を磨いた。ミヤノユでは品質の高い豆のみを使用し、豆の個性に合わせて自家焙煎(ばいせん)している。焙煎後は5日間寝かせエイジングすることで、角の取れたまろやかな味わいに仕上げているという。