風邪を引いたとき、二日酔いがひどいとき、あるいは東京で上質な韓国料理を食べたいとき、地元の人や観光客が立ち寄るのが、赤坂で24時間営業する『赤坂一龍別館』。政府関係のビル、大使館、有名な寺社に囲まれる環境で、ハン・ヨンジャの考案により同店が誕生した。新大久保がコリアンタウンになるずっと前の時代に、韓国大使館で事務員として働いていた彼女は、外交官や役人からなる使節団が訪れたときに家庭料理を振る舞ってほしいという要望を受け、赤坂で初の韓国料理店を開店することになった。84歳になった現在も、彼女はキッチンで指揮を執り、彼女を「ママ」と親しみを込めて呼ぶ常連の客たちと会話をするために厨房を出たり入ったりしている。
同じビル5階にある本館は、50年以上前に開店して以来、多種多様な料理を提供している。しかし、多少新しい1階にある別館は、牛骨などを何時間も煮込んで作る白濁スープに柔らかな肉が入った『ソルロンタン』の専門店だ。スープに浮いた青ネギがアクセントとなり、いつ食べても、独りでスープを啜っても、友人らと分け合って食べても完璧な味だ。
スープの味はマイルドなので、塩と胡椒で味を調え、『ソルロンタン』を堪能しよう。メインのスープに、11種類ものバンチャン(韓国の小皿料理)、ボウルに盛られたライスが付いてくる。歯ざわりの良さ、酸味と辛さのバランスが絶妙な大根キムチから、一見普通に見えるが甘く味付けされたじゃがいもまで、風味豊かな旅を楽しめるセットは1,620円。
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