恵比寿駅から直結の動く歩道を通り、線路を渡って右手の坂を下ると、目的の帆のる 恵比寿店に到着する。連日観光客で賑わう同店は、大阪発のハラル対応のラーメン屋だ。カウンター席に最大6人まで座ることができ、ロフトにはグループで座れる日本ならではの座敷席がある。目玉となるメニューは、MHC(マレーシア ハラル コーポレーション)によって認証を取得した食品を使ったハラルラーメンだ。いくつか種類が選べるが、クリエーティブな挑戦をしており、『唐揚げラーメン』などもある。
筆者が注文した『唐揚げ麺』は、鶏肉(衣が軽く付けられ、揚げたというよりも、焼き上げた感じがする)がゴロゴロと乗っており、味に深みを加えている。スープは、想像していた鶏白湯よりも濃厚で、ハラル対応でありながら、昔ながらの味噌ラーメンや豚骨ラーメンの味に近いかもしれない。
また、鶏肉と豆腐を使った日光軒の『ハラル餃子』はぜひ注文してほしい。餃子好きを自認する筆者たちは1人1皿ずつ注文したが(そもそも誰がシェアしたがるだろうか)、リーズナブルな価格で(ラーメンは780〜980円、餃子580円)、財布にも優しい。
帆のるは大阪に本店があり、東京で数店舗を展開しているが、ハラル対応メニューを扱っているのは新日本橋店、恵比寿店、そして大阪なんば店のみ。ロフトには礼拝スペースがひっそりと設けられている。ムスリムであろうがなかろうが、少し変わったラーメンの解釈を楽しむためだけでも訪れる価値はある店だ。